目 次
蕾が多過ぎるという嘆き
写真観察日記7は、4月1日・土曜の報告だったが、その日記というかレポートの中で詳しく報告したラテンドールの多過ぎる蕾の件が、何とも嬉しく思う反面、非常に不安になってきた。
日記の中では一抹の不安と書いたが、その不安は徐々に強まって、色々と調べてみなければと考えるに至った。
こういう時にネットは本当に役に立つ。
シャクヤクの多過ぎる蕾とか、それらしい言葉を入力すると、たちまち情報が得られる。
手元にある本をめくっても同じ内容だった。
多過ぎる蕾をどうすか?
答えは実に明確だった。
蕾を摘み取るということ!
何とせっかく付けたというか、付いていた蕾を、摘み取って捨ててしまう!という悲しくも辛い答えだった。
蕾を間引きするということが必要になると色々な記事を読んでも、例外なくそう書いてあった。
その余計な蕾を間引いて、取り除くことを「摘蕾」と呼んでいることも分かった。摘蕾と書いて、そのまま「てきらい」と呼ぶ。
蕾という漢字は草冠に雷である。蕾は草の雷という発想は中々に興味深いものだが、読み方もズバリてきらい。
そんな固有名詞があることにも驚かされた。
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ネット情報の引用
ネットからの情報を張り付ける。
開花する前である4月ごろのタイミングで、摘蕾という方法で芍薬を剪定しておきましょう。摘蕾(てきらい)とは、つぼみ(蕾)の状態となっている芍薬の花を摘み取ることをいいます。芍薬の花を大きくするためには、蕾の数を減らして栄養を集中させることが必要なのです。
摘蕾をするときは、まず蕾の状態を一通り確認するようにしてみましょう。そのうち、形のよいものや大きく育ったものなどの状態のよいものを1本の芍薬につき1つだけ残し、ほかはすべて剪定バサミで取り除いていきます。
蕾を摘み取る作業が摘雷です。蕾がたくさんあると、栄養が分散されます。必要な蕾にのみ吸収させたいため、形のよさそうな蕾ひとつだけ残し、その他は摘み取ってしまいましょう。
もう蕾が大きくなっちゃったんですね? 困ったなあ。でも、遅くても、しないよりましだと思うので、1本の茎につき中心のつぼみひとつに残して他は全部取ってしまってください。これ、私もする勇気がなくて、シャクヤクの花を1本の茎に何個も咲かせていたんですけど、ある年、勇気をふるい、蕾がちっちゃいうちに真ん中のひとつを除いて全部指で摘み切ってしまいました。すると、すごく美しい花をつけました。それから、毎年、すごいです。もう咲きかけなら、摘み取っても残したひとつが大きく成長しないかもしれませんね。困ったなあ。やっぱり、ばっさばっさとやってみてはどうでしょうか。。。
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摘蕾を思い切って実行した(4月2日・日)
ここまで明確かつ具体的に書かれては、実行しないわけにいかない。
というわけで、4月2日・日曜日に思い切って、可愛い蕾を摘み取ることにした。摘み取ると言えば、まだいいけれど、間引きである。
どうしても心が痛むのだが、それがシャクヤクのため、豪華な花を咲かせるために必要だというのなら、やるしかないと決意した。
ラテンドールの蕾を摘蕾する
摘蕾をしなければならないのは、なんといってもラテンドールである。
前日のレポートのようにラテンドールには蕾がビッシリとついて、しかも1つの蕾の周辺に固まって2つ、3つも蕾が付いているのである。
これはどうしても間引く必要がある。本当に辛い作業。
しかも間引きの対象となる蕾は、大きな蕾の下に付いている2番目、3番目のかなり小さなこれから育ってくるかわいい蕾である。
それを摘み取ってしまう。間引いてしまう。
「本当にごめんなさい」「すいません」「許してね」と語りかけながらの作業となった。
実際に摘蕾した蕾は以下のとおりである。14個も摘み取ってしまった。
その結果、元々前日には全てで27個もあった蕾のうち14個を摘み取ったので、残っている蕾の数は13個となった。
27個-14個=13個
何と半分以上間引いてしまった。本当にこれは辛過ぎる。
以下の写真は、摘蕾する前の3つ、場合によっては4つも蕾が集中している様子、つまりビフォーである。
以下の写真は摘蕾した後の写真。すなわちアフターである。
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春の粧の蕾を摘蕾する
摘蕾を実行したのはラテンドールだけではなく、「春の粧」も少しだけだが摘み取った。
摘み取った蕾の写真は以下のとおり。
写真でおわかりのとおり、摘蕾した蕾の数は3つだけ。1つは1cm近くに育っていたが、二つが並んでいたため摘み取った。
春の粧の蕾は、昨日(4.1)時点で17個を確認していたので、現在残っている蕾の数は14個となった。
17個-3個=14個
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蕾の付いていない茎と枝を間引く
この日の辛い作業は蕾の摘み取りだけではなかった。
蕾を付けていないのに葉っぱを大きく広げ、茂みを形成した茎や枝を切って、密状態を回避して風通しを良くした。
摘蕾などと並んで、余分な部分に栄養が行くことを避けるだけではなく、風通しを良くすることで病気や害虫がたかるのを防ぐ効果があるという。
滝の粧
対象となったのは、前回日記で嘆かせてもらった「滝の粧」である。葉っぱが大きな広がりを見せて、すっかり茂みとなっているのだが、実は蕾は3つしか付けていないのだ。
こちらは花の咲く蕾を摘み取ってしまうのとは違って、かなり思い切ってバッサリと切った。
切った後の枝や葉っぱ。
そしてスッキリとした滝の粧の全容。
夕映 ① 南側
わずかだが、南側の「夕映」の蕾を付けていない枝や葉っぱも切り落とした。こちらもかなりスッキリして、風通しが良くなった。
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昨日の喜びも束の間、何とも辛い摘蕾
昨日(4.1)、あのラテンドールにビッシリと実にたくさんの蕾が付いていることを発見し、大いに喜んで感激したのもホンの束の間、翌日には剪定ばさみで、まだ顔を出したばかりのかわいい蕾を摘み取ってしまうこととなった。
摘蕾と言えば、何だかカッコイイが、実は間引きである。
一つの大きな花を咲かせるために、他の蕾を摘み取ってしまうという、ある意味で何とも残酷極まりない行為。そうした方がいいんだ、シャクヤクのためだと、多くの栽培のプロたちがその必要性に口を揃える。
今回はその指導に従って、思い切って摘蕾した。
ラテンドールに至っては半分以上を摘み取ってしまったが、今でも何となく胸が痛い。
そもそも野生のシャクヤクなら、そんなことには決してならない筈だ。
もしかしたらこれは栽培する人間のわがまま、命をないがしろにする残酷な行為だったのではないかと、未だに釈然としない。
花を育てるのも、時に辛いものだ。
次回に続く。