これから紹介するシャクヤク日記の記事は今年(2023年)のゴールデンウィークの記録である。その最終日のレポートとなるのだが、もうGWが終わって2週間も経過している。

この一連のシャクヤクの栽培レポートは「日記」と銘打っている以上、もっとリアルタイムで報告していきたかったのだが、GW明け、僕は公私ともに非常に慌ただしく、忙しくしていたため、すっかり報告が遅くなってしまった

猛省している。シャクヤクのその後を心配してくれたり、楽しみにしてくれていた読者には心からお詫び申し上げたい。

では、時計の針を5月6日(土)まで巻き戻す。ちなみに今夜はそれからちょうど2週間後の5月20日(土)である。

なお、正確に書かせていただくと、以下の記事そのものは2週間前を回想しながら、今書いたものではなく、実はかなりリアルタイムで書かれながら、膨大な量の写真の整理など、記事の内容以外の部分でかなり作業が遅れてしまって、配信できなかったものである。それだけに本当に残念だった。

この後に続くシャクヤク写真日記の⑰と併せて読んでいただきたい。

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GWの最後に襲った悲劇

シャクヤクの花の開花期は5月のGWの頃だろうと案内してきたわけだが、その期待を全く裏切らずに、我が家のシャクヤクのほとんどの品種が、正にGWでの開花を目指して時間調整でもしていたといわんばかりに、GWに見事に咲いてくれたわけである。

その多くの品種が開花した最盛期のGWの最後に思わぬ事態が待っていた。

既にこのシャクヤク写真観察日記の第14回と第15回のエンディングでも触れたことだが、GWの最後となった土日の2日間が大変な荒天となって、開花最盛期のシャクヤクを襲った

これに華奢なシャクヤクが耐えられなかったという話しである。

嵐のような風雨にシャクヤクがボロボロに!

二日間の荒天ぶりは驚くほどのものだった。

5月6日の土曜日は、嵐のような強風が吹き続け、翌日の7日の日曜日は、朝から強い雨が降り続き、その雨は翌日の8日月曜日の昼まで続いたことは、読者の皆さんもご記憶に新しいところだと思う。

シャクヤクはとにかく風に弱い

シャクヤクはあの豪華な大輪を、長い首で支えているのだが、その長い首は実は信じられないほど細い茎で、あくまでも草だということを忘れてはならない。

「首長美人」と言い続けてきたが、その首は非常にか細く、頭は実に大きくて豪華。簡単に言うと、非常に頭でっかちなのである。

風がなくて、真っ直ぐに咲いていられるときはほとんど問題がないのだが、強い風に吹かれると、実に弱い。シャクヤクほど風に弱い花はないんじゃないかと言ってしまいたくなる。

あまりにも立派な豪華な大輪すぎることが最大の要因なので、シャクヤクは強みが同時に弱みにもなっているちょっと悩ましい花なのである。

ということは、豪華な大輪が最も咲き誇ったとき、つまり満開に花開いたときが一番弱いということになる。

「満開の時に風が吹くと致命的」になるということだ。

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恐れていた事態がもろに的中してしまう

その恐れている事態が、正に的中してしまったのが、今回のGWの最終の2日間だったのだ。

繰り返すが、今年(2023年)のGWの最終日に当たる土日は大変な荒天に見舞われた。正確に言うと6日の土曜日から7日の日曜日を経て、GWが終了した後の8日月曜日の昼過ぎまで足掛け3日間に渡って、嵐のような荒天が続いた

この荒天に見舞われた3日間を総称して一口で言うと、「暴風雨に見舞われた」ということになるのだが、もう少し厳密に言えば、

6日・土曜 終日、嵐のような強風が吹き荒れた。
7日・日曜 終日、強い雨が叩きつけるかのように降り続いた。
8日・月曜 前日からの強い雨は止むことがなく、月曜の昼過ぎまで降り続いた。

ということだった。

土曜日の強風で、ほとんどのシャクヤクが大きく傾いて、中には地面に倒れてしまうものも。

翌日の日曜は風は少し収まったが、終日叩きつけるかのような雨に晒されてしまったというわけだ。

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3日間の荒天が、満開のシャクヤクを直撃!

この荒天が、最悪のタイミングでやって来たのである。

時折しも多くのシャクヤクが満開な大輪を咲かせていた一番の見どころだったのだ。

特に一斉に咲き始めた大輪のラテンドールと、ようやくこの時期に蕾が広がって開花し始めた麒麟丸を直撃した。

暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿①麒麟丸①
あまりにも痛々しい姿。これは見るに忍びない。
暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿②麒麟丸②
花びらがボロボロになってしまう。
暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿③麒麟丸③
この悲惨な姿を見るのは本当に辛かった。打ちひしがれてボロボロになっている。

 

これは痛かった。

ほとんどが真横に項垂れて、しかも開花していた花びらは多くがバラバラになった。

暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿③麒麟丸③
このとおり。解説など一言も要らないだろう。
暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿⑤麒麟丸⑤
痛ましい。

 

これを見るのは忍び難かった。

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開花する目前の夕映が甚大な被害

今回の暴風雨で一番被害を受け、深く嘆かざるを得なかったのは、シャクヤク畑ではなく、成長が遅れていた北側、いわゆる玄関側のシャクヤクだった。

ここに植えられていてのは、夕映とソルベットの二つの品種であることは何度もレポートしてきたとおり。

同じ夕映という品種ながら、南側にあるシャクヤク畑ではもう既に開花しているのに、驚くほどのたくさんの蕾を付けた玄関側の夕映はまだまだ蕾のままで、いつ開花するのかとGWに入ってからも、毎日ワクワクしながら楽しみにしていたところだった。

それが多くの蕾を付けた後、その蕾の成長は今までの遅い成長からは想像しにくいくらいに開花に向かってピッチを早めていたのである。

シャクヤクはゴールデンウィークに咲くという約束毎を見事に守ってくれるかのように、GWに入って一挙に開花へのカウントダウンを開始し始めた。GWの最終になって一挙に花開こうとしていたのだ。

その開花直前の姿がこれである。ちょうど土曜日の強風が吹き荒れた頃に撮影されたものだ。

もう既に傾いているのが分かるだろう。

本格的な暴風雨を受ける前の夕映①
風の影響で傾いているがまだ本格的な暴風雨を受ける前の夕映。
本格的な暴風雨を受ける前の夕映②
開花目前である。こうなると一斉に開花し始める。
本格的な暴風雨を受ける前の夕映③
風の影響で傾いてはいるが、まだ被害はそれ程でもない。
本格的な暴風雨を受ける前の夕映④
開花へのカウントダウン。ここを暴風雨が直撃した!
本格的な暴風雨を受ける前の夕映⑤
これが一斉に開花したら如何に壮麗だったことか。

 

そんな正に一斉に開花しようとする、正にそのタイミングで、運悪く暴風雨が直撃してしまった!

何たる不運!何たるタイミングの悪さ!

本当に最悪のタイミンであった。

こうして、一斉に花開こうとしていた夕映はいきなり激しい暴風雨に見舞われ、開花すると同時に強烈な風雨によって、薙ぎ倒された

暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿⑥夕映①
この姿を見て冷静にはいられなかった。
暴風雨で壊滅状態となったシャクヤクの姿⑦夕映②
衝撃の一枚。あまりにも無残な姿に言葉を失った。

 

これは辛かった。花の数が非常に多かっただけに、数本が傾き始めると、密接している(花が密になっている)だけに、全体が傾いてきてしまう。

それはあまりにも無残な姿となった。断腸の思いだった。

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大慌てで切り花にする救済措置

日曜日の大雨の中、思い切って倒れかかっているたくさんの開花した直後の夕映を、片っ端から切ってしまう。

切り花にして花瓶に挿そうと決断したのだ。

強い雨が一向に止まなかったので、僕もビショビショになりながら、剪定した。

こうして急遽、切り花用に切られた夕映がこれだ。

暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真①
雨の中でとにかく必死で切り花にした。自転車の籠に入れた。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真②
自転車の籠に入れた夕映。かなりゴージャスだ。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真③
別のアングルから撮影。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真④
見事な花だ。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真⑤
バケツにうつす。7本を切った。光の関係で色合いが随分と異なる。

 

まだ咲いたばかりの小さな花だったが、思い切って躊躇なく切っていった。

これだけまとまるとすごい迫力というかボリュームである。

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取り急ぎ、花瓶に挿した

訳も作法も全く分からず、取り急ぎ大きな花瓶に挿した。

暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真⑥花瓶に挿した①
花瓶に挿すとこんな感じになった。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真⑦花瓶に挿した②
ズームアップにするとこの迫力。
暴風雨の被害を食い止めるために切り花にした夕映の写真⑧花瓶に挿した③
出窓に飾る。

 

こんなふうに暴風雨によって倒れるようなことがなければ、開花した直後のシャクヤクの花をこんな具合にガンガン切ることはあり得ないので、これはこれでギリギリ良かったのかもしれないと、前向きに捉えることにした。

花瓶に挿すと、それなりに豪華で圧倒されてしまう。

しかしながら、僕の本音としてはやっぱり、あれだけの蕾が一斉に咲き誇り、ささやかな風に靡く姿を眺めたかった。

本当に残念なこと。自然はかくも獰猛で容赦がないと痛感させられた。

 

開花便り、この暴風雨の被害レポートで終わりではありません。まだ続きます。

次回をお楽しみに。

 

 

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