目 次
ゴルバチョフのことは、大好きだった
あのミハイル・ゴルバチョフのことが昔から大好きだった。今、ロシアのプーチンがウクライナに理不尽な侵略戦争を行っている真っ最中で、世界中がロシアとウクライナの動向にくぎ付けとなっている。
このブログの中でも、何度もこのロシアによるウクライナへの侵略戦争のことに触れてきたが、それは今日、世界の最大関心事だから取り上げたということではなくて、僕は元々ロシアと旧ソ連のことに尋常ならざる興味を持っているからなのだ。
僕のロシア熱
もう40年以上前の高校時代から僕の最もお気に入りの作家はチェーホフで、繰り返し読んできたし、その後も主に亀山郁夫訳によってだが、ドストエフスキーの大作にも没頭してきた。二人以外にもガルシンやソ連時代のソルジェニーツィン、ブルガーコフなど、ロシア文学は僕の読書の中心を占めてきた。
映画でもエイゼンシュテインは言わずもがな、タルコフスキーは僕の最も好きな映画監督の一人だった。タルコフスキーの映画は本当に素晴らしい。ミハルコフも大好きだ。
音楽でもムソルグスキーは僕にとって最も大切な作曲家の一人であり、若い時には随分とチャイコフスキーにもはまったものだ。
ことほどさように、僕はロシアに関するありとあらゆる芸術に心惹かれていた。この点が、僕がロシアと旧ソ連に興味を持たずにいられなかった最大の理由の一つだったのだが、それよりももっと関心があったのは、史上初の社会主義国家としてのソ連の政治状況だった。
元々ヒトラーへの興味が尽きなかった僕は、そのヒトラーに勝るとも劣らない史上最悪の独裁者にして、ヒトラーの最大の敵であったスターリンにも関心が向かざるを得なかった。あの大テロルことスターリンによる大粛清は20世紀最大の歴史的な謎と闇であり、その実態と真相の究明は僕の最大の関心事となっている。
共産主義への素朴にして究極の疑問
調べれば調べるほど理解できない今ではもう消滅してしまったかつて大繁栄?を誇ったソ連という国家。
徹底した平等を目指した共産主義という思想が、人類のあるべき姿として悪いわけがない。そもそもの発想としては決して間違っていなかった共産主義・社会主義がどうして結局は、どこの国に於いてもあのような個人崇拝に陥り、人々の自由を封じることになってしまうのか。
どうして共産主義は、暴力革命と一党独裁を是として、言論の自由と思想信条の自由を徹底的に封じ込めることになってしまうのか?
本来は人類一人ひとりの幸福の実現を最も切望していた政治思想だったはずなのに、実際の政治シーンではどうしてこんな酷い、非民主的な圧政となってしまうのか?
それがどうしても理不尽で理解不能。何とも許し難く、怒りを覚えながらもソ連の行く末と動向を気にし続けなければならなかった。
手短にゴルバチョフをまとめてみると
そんな中で、まさに突然変異的に登場してきたのがゴルバチョフだった。停滞の象徴とも言うべきブレジネフが死んだ後、アンドロポフ、チェルネンコとロートルと呼ぶしかない長老が相次いで登場するも、バタバタと亡くなった後で、満を持して登場したのがミハイル・ゴルバチョフ。54歳という若き書記長の登場だった。一挙に指導者の年齢が若返り、ソ連に思わぬ新風が吹き込まれることになった。
ゴルバチョフは単に年齢が若かっただけではなく、ソ連の指導者としては前代未聞の全く破天荒な存在だった。
ペレストロイカという全く聞きなれない政治改革を推し進め、それはグラスノスチという情報公開にまで及ぶ中で、ゴルバチョフはレーガン、父ブッシュと相次いでアメリカ大統領(それも共和党)と融和を進め、特に軍縮、核兵器削減に向けて精力的に東西融和を進めていった。
そしてエポックメーキングの1989年。東欧革命が吹き荒れ、ベルリンの壁が崩壊し、何と東西に分断されていたドイツは統一され、あの時代にあって誰一人として想像すらできなかったドイツ統一が果たされた。
東欧革命もベルリンの壁崩壊もドイツ統一も、ゴルバチョフは一切ブレーキをかけようとしなかった。むしろ積極的に歓迎したのである。こうしてゴルバチョフの下で、冷戦は終わりを告げた。
この間の怒涛の歴史的変動はすさまじい。地殻変動といってもいいくらいの歴史的大改革。それは全てゴルバチョフがいたからこそ実現したのである。
そんなゴルバチョフに興味を持たずにいられるわけがない。僕はすっかりゴルバチョフに夢中になってしまった。
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ゴルバチョフが冷戦の終結を顧みる本
ゴルバチョフには「ゴルバチョフ回想録」という上下2巻のめちゃくちゃ分厚い自伝がかつて出版されている。もちろん僕は発売と同時に2セット!も買い込んで(笑)、読み始めたのが、分厚いだけではなく、何と上下2段組で、あまりにも長く、遂に読み切れずに今日に及んでいる。忸怩たる思い。
今回紹介する本「変わりゆく世界の中で」は、自伝ではない。
ゴルバチョフがソ連の共産党書記長として歴史の表舞台に登場し、ペレストロイカを始めた以降の大改革と歴史的変動に焦点を絞り込んで、あの当時の冷戦終結に向けての様々な経緯と、その行き着いた先としてのソ連の消滅までの未曾有の大変動期を、自ら顧みたものだ。
僕はプーチンが始めたウクライナへの侵略戦争に関して、その背景となり、関係すると思われる歴史的経緯に絡む様々な本を読み漁り、このブログでも何冊も取り上げ、紹介してきたのだが、何故ロシアはこんな国になってしまったのか?何故ロシアとウクライナはこんなに半目することになって、プーチンが理不尽な戦争を仕掛ける羽目に陥ってしまったのかと、辿っていくと、全てはあのソ連の崩壊と消滅に行き着くのである。
そうだとしたら、もう一度、ゴルバチョフのペレストロイカまで遡らなければならない。
そんな気がして、久々に真っ正面からゴルバチョフと向き合う決意をしたのだった。
それをするに当たって最高の本が出ていた。それが本書に他ならない。
遅きに失した感があったが、思い立って直ぐに購入し、読み始めた。
素晴らしい本。ゴルバチョフの思いはストレートに伝わってくるし、非常に読みやすいこともあって、夢中になって読み進めた。
そんな時にゴルバチョフの突然の訃報が飛び込んできた。読み始めたホンの数日後だったと思う。これには衝撃を受けた。
ゴルバチョフは既に90歳を超えていたし、重い病気にもかかっており、何時亡くなっても不思議はなかった。
だから、訃報そのものにはショックを受けながらも致し方ないと納得はできたのだが、偶然とは言え、ちょうどゴルバチョフの貴重な本を本格的に読み始めていた時だっただけに、そのあまりのタイミングに衝撃を受け、絶句してしまったという次第。
こういうことがあるのだ。思わず胸が詰まり、涙が込み上げた。
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「変わりゆく世界の中で」での基本情報
朝日新聞出版から発行されたハードカバー。2020年7月30日に出版された。今から2年ちょっと前に出た本である。当時ゴルバチョフは89歳だった。
本文は322ページだが、付録としてゴルバチョフが受賞したノーベル平和賞の受賞演説の全文が掲載されている。1991年6月5日 ノルウェーのオスロでの演説の記録である。これが写真を含めて22ページあり、結局、ゴルバチョフの文章としては345ページ。それに訳者の副島秀樹さんの訳者あとがきと、例の元外務省主任分析官の佐藤優の解説「全人類に共通する普遍的価値観」を含めると、全体で362ページとなる。
それなりに厚みのある本ではあるが、非常に読みやすくスラスラと読むことができる。その最大の理由はゴルバチョフの簡潔にして分かりやすい文章にあることはもちろんだが、日本語の訳が本当に分かりやすくスッキリとしているのも大きな要因だ。
訳者は朝日新聞大阪本社編集局編集委員の副島秀樹さんだが、この副島さんの日本語が非常に分かりやすく、読みやすい。副島さんはプーチン政権誕生前後の1999年4月~2001年8月にモスクワ特派員。2008年9月~2013年3月にはモスクワ支局長を務め、米ロの核軍縮交渉などを取材したという。
読んでいる真っ最中にゴルバチョフが亡くなってしまったこともあって、僕はゴルバチョフの冥福を祈りながら、休日に残りを一気呵成に読み切った。沖縄から戻って、翌々日のことだった。
本書の全体の構成と内容
全体は8つの部分から成り立っている。その内容を目次から引用してみる。
第1章 ペレストロイカ胎動
第2章 ブレークスルー
第3章 ベルリンの壁崩壊
第4章 冷戦終結
第5章 試練
第6章 ラストチャンス
第7章 ソ連崩壊
第8章 未来に向けて
付録 ノーベル平和賞受賞演説 1991年6月5日 オスロ(ノルウェー)
それぞれの章は、更に7~20の項目に分かれ、それぞれに表題が付いている。それも本書を非常に読みやすいものにしている大きな要因だと思われる。
例えば、本書の白眉である第3章「ベルリンの壁崩壊」を例に取ると、こんな表題がついている。
第3章 ベルリンの壁崩壊
・1989年
・初の人民代議員大会
・ブッシュ―「塾路のための中休み」
・マーガレット・サッチャー
・モスクワのジェームズ・ベーカーー真剣な会話
・ヨーロッパー歴史は歩みを速める
・ヤノシュ・カダル、ボイチェフ・ヤルゼルスキ
・荒れるドイツ民主共和国〔東ドイツ〕
・その先は?ーヘルムート・コール
・信頼の芽生え
・関係の新たな章
・ドイツ問題ー議事日程に
・首相は急ぐ
・ドイツ再統一ー我々のアプローチ
こんな感じで非常に分かりやすく、読みやすい仕立てとなっていて、極めて良心的な本だと評価できる。
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冷戦終結後に、ソ連は結局どうなったのか?
これだけの大改革を成し遂げたゴルバチョフの最後は哀れなものだった。歴史は時に、随分と残酷なことをするものである。
ゴルバチョフが進めたペレストロイカは、冷戦を終結させ、西側世界では諸手を振って大歓迎されたが、自由を求める人々の思いは更にエスカレートし、権力への野望を隠さなかった急進改革派のリーダーたちによって、ペレストロイカの成果がうまく利用され、いや裏目に出てと言うべきか、ロシアやウクライナ、ベラルーシなど各共和国がソ連からの独立を求め、ゴルバチョフはその流れを食い止めることができなかった。
ゴルバチョフはソ連を崩壊させようなどとは夢にも思っていなかったが、彼の改革によって勢いを得た勢力は、結局、ソ連を崩壊させ、ソ連大統領は行き場を完全に失ってソ連大統領を辞任し、ソ連という国家そのものも完全に消滅したのである。
直接の原因は、1991年の8月に起きたゴルバチョフが軟禁されたクーデターと、その鎮圧で存在感を発揮し、男を上げたエリティンに政権の座を追われた格好になったが、一言で言えば、ゴルバチョフの始めたペレストロイカというソ連では、いや社会主義国家では考えられなかった大改革を推し進めた成れの果てが、ソ連という国家そのもの消滅に繋がってしまったと言うしかない。
ソ連を蘇らせようとして取り組んだペレストロイカが、結局はソ連とゴルバチョフの息の根を止めてしまったわけだ。
何という残酷な結果だろう。ゴルバチョフの忸怩たる思いは想像するに難くない。
ゴルバチョフとロシアは、その後どうなったのか?
僕が尊敬し、好きでたまらないゴルバチョフは、明らかに世界を変えて、これによって自由を得た人々は地球上に何億人もいるにも拘らず、そして欧米や日本などの西側からは深いリスペクトを受けながらも、本国ロシアでは、また旧ソ連に属するどこの国でも頗る評判が悪い。
全く人気がないどころか、あの栄光のソ連を崩壊させた張本人というわけで、忌み嫌われている。
先日の訃報を受けてのロシア市民の対応やコメントを見て、唖然とさせられた人も多いのではないか。
かつては「米ソ」と世界の2大大国として世界をリードしてきた超大国だったのに、今のように落ちぶれてしまったのは、全てゴルバチョフのせいだ、あのソ連崩壊が全ての原因だというわけである。
今はロシアを始め、みんなゴルバチョフがやってくれた結果の自由を謳歌しながら、一方でソ連を崩壊させた!と責めるのである。
いい加減にせい!と思わず言いたくなる。
今のロシアがやりたい放題やっているのも、あのプーチンがあんな理不尽なことを好きなようにやっていられるのも、ゴルバチョフから権力を奪取したエリティンが、当時は全くの無名だったプーチンを後継者に指名したからに他ならない。
プーチンはゴルバチョフに感謝すべきなのに、心の底からゴルバチョフを毛嫌いしている。リスペクトのカケラもない。
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突然プーチンが現れて大統領に収まるまで
ゴルバチョフがソ連大統領を勇退し、ソ連という国家が消滅してしまってから、今のプーチンの大統領の就任まで、そう年数はかかっていない。
ゴルバチョフの表舞台からの退場、つまりゴルバチョフのソ連大統領の辞任は1991年12月25日。翌日には最高会議もソビエト連邦の解体を宣言し、ソ連はここに崩壊した。
愚かなエリツィンがプーチンを抜擢した
エリツィンがロシア大統領に就任したのはソ連が崩壊する約半年前の1991年の6月のことだったが、ソ連崩壊後、ロシアが実質的なソ連の後継的な地位を引き継ぐことで、エリツィンは実質的にソ連の最高権力者と何ら変わることのない権力を獲得した。
失意のゴルバチョフと入れ替わるようにして、大喝采の中で最高権力者に上り詰めたエリツィンが、実はただのアル中で、パフォーマンスだけのどうしようもない人物だと化けの皮が剥がれるまでに、あまり時間はかからなかった。
このダメ大統領は自分の無能力を自覚したのか、権力への執着はそれほど強くはなく、突然辞任表明し、20世紀最後の日である1999年12月31日に勇退。来る21世紀をプーチンに託したのだった。プーチンを後継者に指名してあっさりと退任したことを喜んでいいのかどうか分からない。
こんな無責任で碌なポリシーも政治信条も持っていなかった人物が、ゴルバチョフが居なくなった後、それでも8年間もロシアのトップとして君臨したことが、今日のロシアの衰退とどうしようもない貧富の差、例の新興財閥オルガルヒの台頭などの経済的混乱を引き起こしたのだ。
ちなみにゴルバチョフがソ連のトップにいたのは6年間だけだった。
プーチンのやりたい放題
KGB上がりのプーチンはほとんど知られていない存在だったが、エリツィンのもとで1999年8月に首相に就任。同年12月末にエリツィンが大統領を当然辞任するに当たって、大統領代行に指名され、2000年3月のロシア大統領選挙に圧勝して大統領に初当選し、今日に至っている。
その間、これまたプーチンが勝手に引っ張ってきたメドヴェージェフと謀って、大統領と首相のポストを交換するなど、権力を弄び、再び大統領に返り咲く中で、更に野心を募らせ、大統領の任期の切れる2024年以降も権力を保持し、実質的に終身大統領になることも可能となるようあらゆる手段を講じてその実現を図ろうとしていることは周知のとおり。
そんな中で、今年の4月にウクライナへの侵略が開始されたというのが、ゴルバチョフがいなくなってからのロシアの動きである。
この間、約30年間。ゴルバチョフが消えた後、プーチンが大統領になるまで8年しか経っていない。
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ゴルバチョフの改革が、プーチンという怪物を生み出した?
結果的には、ゴルバチョフがソ連を崩壊させたしまったことで、プーチンへの道を開拓してしまったことは間違いない。
プーチンはゴルバチョフを忌み嫌っているが、歴史的にはゴルバチョフの改革の成果物としてプーチンが権力を獲得できたのである。
それが今のウクライナの侵略に繋がると思うとやり切れないが、世界が諸手を挙げて大歓迎したゴルバチョフの大改革が、結局、プーチンを呼び込んで、ウクライナの惨劇が引き起こされたと考えると複雑な心境だ。
ゴルバチョフを反面教師に独裁を強化したプーチン
ゴルバチョフへの反動としてのプーチンは、いうまでもなくゴルバチョフを反面教師とした。
そしてロシアという国はもちろん社会主義、共産主義とは決別して、資本主義化を図り、西側の民主主義を取り上げた格好だったが、外観はそうであっても、プーチンの目指したものが民主主義であろうはずがなく、かつてのロシア帝国の復活。プーチンはかつてソ連がロシア革命で惨殺した皇帝そのものに化してしまったということが、ソ連とロシア史の最大の悲劇である。
この先、どうなってしまうのか、全く予断を許さないことになってきた。
佐藤優の解説はさすがに本質を突いている
佐藤優がゴルバチョフをほとんど評価していないことは、僕は前から良く承知していた。佐藤優が書いたソ連崩壊に関する本を何冊も読んできたが、その中でゴルバチョフをかなり厳しい口調で批判している。
そんな佐藤が本書の解説を担当していることに、僕は正直アレルギーを起こしそうになったが、実際に読んでみると、それほど悪くはない。今までの持論を変えずにありのままにゴルバチョフを批判しているのも、筋が通っていて好感が持てなくもない。
佐藤優は、「ゴルバチョフ氏にとって、全人類の利益と全人類の価値が存在するという思想が死活的に重要だった。それ故にナショナリズムが持つ力を等身大で評価することができなかった」という。
解説の最後の数行は、ゴルバチョフの本質を突いていて、空恐ろしいほどだ。
「ソ連という共産党独裁体制は、マルクス・レーニン主義という全体主義イデオロギーに成り立っていた。このイデオロギーは全一的体系なので、そこに言論・表現の自由、民主的選挙による議会、市場競争という異質な価値観を部分的に導入することは不可能だった。その不可能の可能性に挑み、敗北していった理想主義者がゴルバチョフ氏なのだと思う。
ただし、その敗北の過程で多くの善きものを同氏が残したことを過小評価してはならない」
僕が抱いていた「素朴にして究極の共産主義に対する疑問」にも答えてくれた感があるが、僕としては、最後の1行、ゴルバチョフの敗北の過程の中で、善きものをたくさん残したことを過小評価するな!という締めくくりを大切にしたい。
佐藤優による最大のゴルバチョフへの讃辞と受け止めた。
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ゴルバチョフが目指した軍縮、平和に再び思いを馳せたい
プーチン政権が1日も早くロシアの国民たちの力によって転覆され、平和が訪れることを祈るしかないが、現実的にはウクライナが軍事的反攻を強める中で、いよいよプーチンが核兵器を用いる可能性が強まっている。かなり現実味を帯びてきた。
ここで改めてゴルバチョフがあの冷戦時代という極めて困難な時代にあって、いかに軍縮と核兵器の削減を図り、平和の実現に心を砕いたか、今再び思いを馳せたい。
「1980年代半ば、我々がどのように核兵器の脅威に取り組んだかを思い出す。それが我々の共通の敵であり、私たちすべてへの脅威であると理解したとき、ブレークスルーは起きた」
「核戦争は許されない。そこに勝者はない」
今こそ、本書を読んでほしい
ゴルバチョフは2022年8月30日に亡くなった。享年91歳。亡くなる最後まで今のウクライナ情勢を憂いていたようだ。
こんなどうしようもない状況だけに、もう一度初心に戻って、ゴルバチョフがやろうとしたこと、目指したことに思い出したい。
今こそ、全世界の人々に読んでいただきたい貴重な時代の証言であり、人類の歴史をひっくり返した巨人の魂の声である。
ゴルバチョフの最後の声に、是非とも耳を傾けてほしい。全人類の必読書とも呼ぶべき貴重な1冊。
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