目 次
哀切感に満ちた美し過ぎるロードムービー
テオ・アンゲロプロス監督が1988年に撮った「霧の中の風景」は、これ以上の映画を思い浮かべることができないような究極の美しさと感動を備えた珠玉の名作である。胸を締め付けられるような哀切感がひしひしと迫ってくる稀有の傑作だ。
テオ・アンゲロプロスはギリシャが生んだ世界屈指の映画監督。大巨匠である。
発表当時、カンヌ国際映画祭を始め、世界中の映画ファンの度肝を抜いた「旅芸人の記録」という特別な名作映画の監督として名高い。アンゲロプロスはいつも4時間近い大作を撮ることで有名な監督だが、そのアンゲロプロスが珍しく2時間に収めたこの「霧の中の風景」は、アンゲロプロスにしては本当に小粒な作品なのだが、アンゲロプロスの魅力が満載された素晴らしい映画である。
テオ・アンゲロプロスのこと
「霧の中の風景」を紹介する前に、先ずはこの世界屈指の名監督であるテオ・アンゲロプロスについて、知っていただく必要がある。
ギリシャの映画監督であること、「旅芸人の記録」で世界中の映画ファンの度肝を抜いたこと、4時間近い長い映画ばかりを作っている監督だということは既に書いたとおりである。
そして、ありとあらゆる世界中の映画監督の中で、スタンリー・キューブリックと並んで僕が最も尊敬し、愛してやまない監督でもある。
僕には好きな映画監督がたくさんいて、ザッと数えても30人位はくだらない。その中にあって、僕にとっての神とも讃えたくなる映画監督はスタンリー・キューブリックとテオ・アンゲロプロスの二人が、先ず上がってくる。
もう一人上げるとすれば、あのチャップリンとなってしまう。
テオ・アンゲロプロスは本当に頭抜けた、特別な存在だ。
2010年、アテネ郊外のトンネル内でオートバイに轢かれる事故に遭って、78歳で急逝してしまったが、生涯に作った映画は、初期の短編を含めても14本しかない。
これはあの「2001年宇宙の旅」「博士の異常な愛情」「時計じかけのオレンジ」「バリー・リンドン」などのスタンリー・キューブリックとほぼ同じ数だ。
3〜4年に一本くらいしか撮らない映画監督だと生涯で大体十数本しか撮れないということになってしまうのが普通だ。
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アンゲロプロスの「旅芸人の記録」について
冒頭で触れたように、何と言っても1975年のカンヌ国際映画祭で世界の注目を集めた「旅芸人の記録」が神がかった至高の映画。約4時間の大作である。
戦後ギリシャの複雑極まりない政治状況を背景に、ギリシャの旅芸人一座の14年間に渡る活動を追いかけていく。
ここでは戦後ギリシャの複雑な政権の移り変わりと旅芸人一座のドロドロの復讐劇、更に旅芸人一座が旅先で演じる劇の演目という3つの要素が、複雑に絡み合いながら、錯綜して描かれていく。
実に大胆な構成。これは滅多にない骨太の人間ドラマにして政治ドラマでもある。
そのテーマのもの凄さだけではなく、特筆すべきはその類い稀な傑出したカメラワークと撮影技法なのである。
「旅芸人の記録」の類い稀なカメラワーク
とにかくアンゲロプロスのカメラワークと撮影技法は全く神がかっている。
僕が大好きな長回しの世界最高の人。ワンシーン・ワンカットにとことん拘り続け、その長回しは芸術と呼ぶべきか、奇跡と呼ぶべきか、本当に神がかっていて人間技とは思えない。
例えばカメラがゆっくりと360度回って元の位置に戻ると、数年間が経過しているとか、数名の軍人たちが歌を歌いながら行軍する姿を全く途切れることのないカメラがズッと並走して撮り続けているのに、時代がどんどん変わっていくなど、ワンシーンであるにも拘らず、時間を飛び越えてしまうという神業を見せる。どう考えたって普通は考えられないことである。
とにかくワンシーン・ワンカットの連続で、軽く10分以上も途切れない長回しが頻繁に出てくる。
その撮影技術がとんでもない高みに達しているだけではなく、その中で描かれるドラマそのものが過酷な政治状況とドロドロの復讐劇が複雑に錯綜しながら、骨太に描かれていく。それが延々と4時間も続くのである。
そんな映画だっただけに、本当にこの作品を初めて観た時には、誰もが腰を抜かすほどビックリしたのだった。
ほとんど映像の魔術師というしかないが、アンゲロプロスのものすごい点は、その映画テクニックをひけらかすために撮っているのではなく、先ずは描くべき骨太の切実なるテーマがあって、映画技法はあくまでもそのテーマを描くための手段に過ぎないという点だ。描かれるテーマに貢献する映像テクニックという点が、他の様々な映像テクニシャンとは一線を画している。
こんな映画はそれまでに誰も観たことがなかった。それを今年(2022年)遂に閉館が決まってしまった岩波ホールで上映されたのだ。
今は亡き高野悦子さんが総支配人を務めていた岩波ホールがあれだけ評判になったのは、このアンゲロプロスの「旅芸人の記録」の上映がきっかけだったと言ってもいい。
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アンゲロプロスの名作群の全容
「旅芸人の記録」の次は「アレクサンダー大王」だった。これも3時間半の大作で、長回しは更に徹底され世界の映画ファンを夢中にさせた。「狩人」という3時間のこれまた現代ギリシャ政治の告発物も、驚異的な長回しで有名だ。
「シテール島への船出」という魂を激しく揺さぶられる名品の後、「こうのとり、たたずさんで」「ユリシーズの瞳」とこれまた世界中から大絶賛を浴びた3時間の大作が続く。
「永遠と一日」はカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた名作だ。
更に「エレニの旅」、また3時間の「エレニの帰郷」と珠玉の名作を撮ったところで、交通事故による死に追い込まれてしまった。続編の撮影を始めた直後だっただけに本当に悔しく、残念でならない。
全4巻からなる貴重なDVD全集が出ていた!
このテオ・アンゲロプロスの映画を全て収めた4巻のBOXからなるDVDの全集がかつて紀伊国屋書店から発売されていた。もちろん、まだ本人は存命中だったので、最新作は含まれておらず、「永遠と一日」までしか収められていなかったが、これはファン垂涎の宝物と呼ぶべき代物だった。
日本未公開の初期の作品まで含めて、「永遠と一日」までの全ての作品を収めていることが何と言っても貴重であるが、それに加えて、全ての作品について1作品毎に詳細な解説書が付いていることが本当に嬉しい。この解説書でしか得られない貴重なデータや資料、著名人による作品解説など、本当に完璧な仕上がり。
1巻毎に3作品が収められており、1作品毎の詳細な解説書の添付だけではなく、その1BOXに収められた3本の映画をまとめた、これまた立派な別冊解説書が個別作品の解説書とは別に添付されているのである。
その充実したハイクオリティの作りはいかにもアンゲロプロス作品にふさわしく、ファンならば、どうしても手元に置いておきたいものだ。
ところが、もう既に廃盤となっており、現在は入手できない。その貴重な内容とクオリティの高さからか、この全集は中古市場でも1巻5、6万~10万もするような高価な値段、つまり原価の3倍から5倍もするような高値で売り買いされているようだ。アンゲロプロスのファンならば、喉から手が出る程ほしくなる貴重なものであることは間違いないが、あまりにも高過ぎて、残念なことである。
この貴重なDVDのBOX全集はブルーレイの時代に入って、廃盤となってしまったわけだが、といってこれらのアンゲロプロス作品がブルーレイ化されたわけでもなく、現在、アンゲロプロスの映画はDVDでもブルーレイでも、ほとんど観ることができない状態である。残念でならない。
実は厳密に言うと、アンゲロプロス作品は5本がブルーレイ化されたのだが、それも直ぐに廃盤になってしまったというのが真相だ。
唯一、今でも入手可能な作品が「霧の中の風景」なのである。
まだ観ていなかった名作群を一気に鑑賞
僕は今年(2022年)1月にこのDVD全集から、まだ観たことのなかった名作を集中的に一気に観て、言葉にできないほどの深い感動に包まれた。
僕にとって、アンゲロプロスはキューブリックと並んで最も重要な熱愛している監督であるにも拘わらず、多くの名作群を敢えて観ていなかったのだ。手元にそれらのDVDが揃っていながら。
「旅芸人の記録」「アレクサンダー大王」「霧の中の風景」などを観れば、もうそれでアンゲロプロスの傑出した特別な力量は明らかで、それで僕の中の映画監督としては、もう最高の存在として不動の地位を占めていたのである。
そうは言っても、最も気に入っている監督の他の名作群を観ていないのは問題ではないか、やっぱりそれはダメだと改めて思い知らされただけでなく、このところ脊柱管狭窄症と新型コロナの第6波の感染急拡大で、あのギンレイホールにもうかれこれ5カ月間近く行けなくなっていることで、とにかく圧倒的な傑作映画を集中的に観たい!という欲求を抑えることができず、そこで選ばれたのがこのDVDで大切に保存してあったアンゲロプロスの名作群だったという次第である。
「シテール島への船出」「こうのとり、たちずさんで」「ユリシーズの瞳」そしてあまり知られていない隠れた名作の「蜂の旅人」の4作品である。
もうどの作品も甲乙つけがたいほど素晴らしく、どの作品でも観ていて魂を激しく揺さぶられ、涙が止まらなくなるどころか、嗚咽、慟哭してしまうこともしばしばだった。これは他に例えようのない特別に貴重な映画体験となった。
そういう意味では、これらの4本の映画を全て1本ずつ丁寧に紹介したかったのである。
ところが、何と今ではこれらのディスクは全く入手することができない。何たるスキャンダル!!
大きなレンタル店に行けばおいてあるのだろうか。とてもそうは思えないのだが。
ということで、これらの紹介は泣く泣く諦め、現在、唯一入手可能な「霧の中の風景」を取り上げたという次第。
「霧の中の風景」は過去に何度も観ており、大好きな作品だった。もちろん、このブログを書くに当たって、もう一度ブルーレイで観なおした。ということは、僕は正月明けの1月中旬以降、10日間程の間にアンゲロプロスの長大な名作群を5本まとめて観たと言うことになる。夢のような稀有な映画漬けの日々となった。
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映画の基本情報:「霧の中の風景」
ギリシャ・フランス・イタリア合作映画 125分(2時間5分)
1990年3月17日 日本公開
監督:テオ・アンゲロプロス
製作・原案・脚本:テオ・アンゲロプロス
出演:タニア・パライオログウ、ミカリス・ゼーケ、ストラトス・ジョルジョグロウ、ヴァシリス・コロヴォス、エヴァ・コタマニド 他
撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス
音楽:エレニ・カラインドルー
1988年、第45回ヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞。
1989年、第2回ヨーロッパ映画賞・作品賞。・
1992年度キネマ旬報ベストテンの外国映画第3位。読者選出ベストテン第7位。
どんなストーリーなのか
ギリシャの母子家庭に育つ11歳の女の子と5歳の男の子。日本で言えば、小学校5年生のお姉ちゃんと小学校入学前、年長組の弟ということになる。
この幼い二人の姉弟は、母親からいつも「お父さんはドイツで働いている」と聞かされ、その父親に会いたい一心で、「ドイツにいるお父さんの顔を見たい」と二人だけでドイツを目指して、切符はもちろん、お金も全く持たないまま、国際特急電車に飛び乗ってしまう。
果たしてドイツまで無事にたどり着くことができるのか?そして父親に会うことはできるのか?
哀切極まりない姉弟のヨーロッパ縦断の旅
たったこれだけの話しである。11歳の女の子が幼い5歳の弟の手を引いて、ギリシャからはるばるドイツまで会ったことのない憧れのお父さんを探しに行くという話しが、ここまで哀切極まりない珠玉の悲しきロードムービーを生み出した。
元々は「子供がふたり、父を探してドイツまで旅をした」という新聞記事を目にしたアンゲロプロスがイメージを膨らませたという。
お金も持たない幼い二人の姉弟によるギリシャからドイツまでの真冬のヨーロッパ縦断の旅だ。正に「冬の旅」。
土砂降りの雨の中、傘もささないで、二人の姉弟が手を取り合いながら、歩いていくシーンが何度も出てくるのだが、過酷すぎる。
会ったこともない父親をドイツまで訪ねたところで、会えるわけもない。それでも「お父さんに会いたい」という一心で、思い切って家を飛び出した幼い姉弟に胸が張り裂けそうになる。
この幼い姉弟にどんな苦難が待ち受けているのか?純真で無垢な二つの魂が、これから先、どんな試練に遭遇して、その純粋な思いを保ち続けることができるのか?
特に姉がまだ見ぬ父親に対して、「お父さん。とても会いたいです。お顔を見たら、すぐに帰ります・・・。」と心の声で父への手紙をつぶやき続ける。それがもうあまりにも純真過ぎて、心が張り裂けそうに。
その旅の行き着く先にどんな結末が待ち受けるのか。この過酷な冬の旅を通じて、二人は人生を知っていくことになるのは間違いはないのだが・・・。
幼い子供たち二人だけで困難を乗り越えようとする話しは、時代もシチュエーションも全く異なるが、あの傑出したアニメーション映画(高畑勲監督)にもなった野坂昭如の「火垂るの墓」を思い起こさせ、二重写しになって、涙が止まらなくなる。
「火垂るの墓」はお兄ちゃんと幼い妹の話しではあったが。
息を呑む美しい映像の連続
本当に美しい映画。その映像の美しさと清冽さ、深い詩情は特筆もので、ため息を吐くしかない。
そしてアンゲロプロスならではの驚嘆のカメラワークが縦横無尽にその威力を発揮する様に、さながら極上の芸術作品に身も心も包み込まれるような幸福感に満たされてしまう。
誰もが心を奪われてしまうに違いない特別に印象に残る美しさの極みのようなシーンがいくつも出てくる。
特に目を奪われるのは、ギリシャでは珍しい大雪に見舞われるシーン。
警察官や通行人がみじろぎもせず、空から降ってくる雪を無言で見上げている姿。
完璧な静寂の中で、雪だけが激しく降り続き、それをみんなが黙って身動きもせず見上げている。その中を走り抜けていく幼い姉と弟。幻想的にして厳かな名場面。映画を観ているこちらも、思わず姿勢を整え、襟を正したくなってしまう。
もう一つ、アンゲロプロスのファンならば声を上げて驚嘆し、嬉しくなってしまうのは、何とこの幼い姉弟二人の行き先で、あの旅芸人一座と一緒になるのである。そして一時だが、二人の支えになる。
もちろんあの「旅芸人の記録」に描かれた旅芸人一座である。これにはやられた!
自分の過去の映画の最大のモチーフをここで出してくるとは思わなかった。
アンゲロプロスの全ての作品が、まるで一本の作品に繋がっているようで、何とも深い感銘に襲われる。
ヒッチコックばりの驚嘆のカメラワーク
ネタバレになるので、詳しくは書けないが、映像の魔術師アンゲロプロスならではの非常に印象的なカメラワークが出てくる。
画面では何も映さずに、声も全て消して、その中で何が起きているのか、それはもちろん不幸な出来事が起きているわけだが、それを全く映さずに、観ている観客に暗示するというカメラテクニック。
隣りを走っていく何台もの車を映すことで時間の経過を伝えるあたりも絶妙で、ゆっくりとカメラが何も映していない対象に近づいていくあたり、思わず鳥肌が立ってしまう。
生々しく映されるよりも、観ている側の想像力を掻き立てられて、よっぽど衝撃的であり、脳裏に焼き付き、忘れ難いものになる。
これはあのヒッチコックも「フレンジー」で用いた有名なテクニックだが、こんな芸術的な映画で用いられると、更にインパクトが強くなろうというもの。
アンゲロプロス得意の長回しは、他のアンゲロプロス作品と比べるとかなり控えめで、多用されていないが、そうは言っても何ヵ所も出てきて目を奪われる。
印象的なカメラワークを駆使して、これだけ美しい映像を見せつけられる。
これ以上の映画が他にあっただろうか?
そう、心に問いかける。ほとんど思い浮かばないのである。
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姉弟を演じた二人の子役は絶品。泣かされる
幼い姉弟を演じた二人の子役の素晴らしさは、どんなに強調しても足りないほどだ。
この子役の二人は、新聞で告知されたオーディションでギリシャ全土から集まった約1,000人の子供たちから選ばれた二人で、もちろん映画初出演。
本当に素晴らしい。そのかわいらしく、いじらしい姿に涙を禁じ得ない。こんなかわいらしい子供たちに苦労してほしくない。苦しんでほしくない、本当にそう念じてしまうのである。
子供を主役にした名作は「禁じられた遊び」を始め、古今東西たくさんあるが、その中でもこの「霧の中の風景」は間違いなく最高の1本だと断言したい。この二人のことが映画を見終わった後も、心の中に、瞼の中に焼き付いて離れなくなってしまう。
酔いしれるしかない極上の映画
そして何と言っても、テーマが胸に迫るのである。この幼い姉弟の悲しいドイツへの冬の旅。見たことのない父親を探しに行くその純真な無垢の魂の遍歴に、胸が締め付けられる。アンゲロプロスの深い詩情、感情を敢えて抑えた静かな怒りと悲しみが切々と迫ってくる。
アンゲロプロスにとって最も重大なテーマであった「国境」についても、ストレートに問いかけてくる。
テーマの切実性と子役二人の素晴らしい演技。そして息を呑む美しい映像と驚嘆のカメラワーク。
オーボエとチェロが非常に印象的な、哀感をそそる音楽がまた絶品であることも付け加えておきたい。
エレニ・カラインドルー。ギリシャの女流作曲家で、本作の前にも「シテール島への船出」「蜂の旅人」で組み、この後も「こうのとり、たたずさんで」「ユリシーズの瞳」「永遠と一日」「エレニの旅」などアンゲロプロス監督とずっとタッグを組み続けた。アンゲロプロス作品には欠かせない人。
本当に耳に残る素晴らしい音楽である。
こんな映画は滅多にあるものではない。珠玉の傑作と呼ぶべきだ。
幸いブルーレイが現在でも生き残っている。現在市販されている唯一のアンゲロプロスのブルーレイ。
解説も非常に充実(DVD全集に付いていたものと基本的に同一)しており、これは何としても購入の上、じっくりと繰り返し観てほしいものだ。
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