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無料で観る昨年公開映画の傑作(続報)
昨年公開されたばかりの話題作にしてキネマ旬報ベストテンにおいて高い評価を得た傑作が、Amazonプライムで早くも無料で観放題という信じられない話しを現実のものとして観た映画の紹介を、一気に4本紹介してきた。
Amazonプライムに感謝するしかない
Amazonプライム。昔の作品ならいざ知らず、昨年公開された最新の話題作や傑作で、まだソフトも販売されていない最新の映画が、無料で見放題。キネマ旬報ベストテンに選ばれた評価の高い作品が何本も無料で観れる。
どうしてこんなことが可能になるのか理解できない。嬉しい悲鳴が止まらなくなる。
取り急ぎ、「碁盤斬り」、「あんのこと」、「Cloud クラウド」、「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の4本を観て、ブログ記事を配信させてもらった。
同じ条件の傑作がまだあった
① 昨年公開されたばかりの新作映画
② キネマ旬報ベストテン(読者選出ベストテンを含む)に入った高評価の映画
➂ Amazonプライムで無料で観放題の対象映画
この条件を満たす映画がまだ数本あることが判明。現時点でハッキリしているのは2本だ。この2本も順次紹介していきたい。
先ずは、「ルックバック」というアニメ映画。これがもう信じられない程の超弩級の傑作だった。
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もの凄いアニメを観た
「ルックバック」。
前情報が全くない状況で、何となく観始めた。期待もしていなかった。
ところが僕はこの映画に激しく感動させられ、涙は止まらなくなり、最後の最後まで一瞬たりとも画面から目が離せなくなってしまった。
あまりの感動に微動だにできない状況となり、最後の印象的な主題歌に身を任せていた。
映画を観て、これ程の感動を味わったのは久々のこと。しかもアニメである。それも1時間足らずの極めて短いアニメ映画。
どうしてあんなとてつもない感動に襲われたのか!?


驚嘆すべきアニメに感動が収まらない
こんなアニメは観たことがない。全く新しい感覚だ。
シネフィルの僕は、アニメもかなり観ている。
ジブリはホンの数本を除いてほぼ全て観ている。宮崎駿監督作品はもちろん、高畑勲監督作品も。
新海誠監督作品も、細田守監督作品も観ている。「この世界の片隅に」も観た。
今回の「ルックバック」は、それら非常に評価の高いいずれのアニメとも、異なっている。
大人を深く感動させずにおかない、新たなアニメの傑作の誕生に、震撼させられた。

涙が止まらなくなる
泣けて泣けてどうしようもなかった。涙がボタボタと零れ落ちるとんでもない感動と心の揺さぶり。
衝撃を与えずにおかないドラマツルギー。僕の周りはティッシュの山となった。
先ずはそのストーリー展開に。
登場人物の心理描写の精緻さと大胆さに。挫折を乗り越えて前に進もうとする主人公たちの姿に。そして全く新しいアニメ表現と精密な絵に、心が震えた。
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映画の基本情報:「ルックバック」
日本映画 58分
2024年6月28日 公開
監督・脚本・キャラクターデザイン:押山清高
原作:藤本タツキ「ルックバック」 (集英社ジャンプコミックス刊)
出演(声):河合優実、吉田美月喜、斉藤陽一郎、岡幸太、牧紅葉、吉橋航也 他
音楽:haruka nakamura
主題歌:「Light song」by haruka nakamura うた:urara
主な受賞歴:第98回(2024年)キネマ旬報ベストテン 日本映画ベストテン第7位 読者選出ベストテン第8位
※1時間にも満たない58分の短編アニメ映画がこの高評価。凄い快挙。
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どんなストーリーなのか
短い映画なので、簡単に触れるにとどめたい。
主人公は漫画が得意な小学4年生の女の子。もっと絵の上手な引きこもりの同級生との出会い。この漫画に情熱を傾ける藤野と京本という2人の女の子の悪戦苦闘、青春格闘劇だ。

わずか58分の短編映画
この映画、わずか58分しかない。
短くても素晴らしいアニメ映画はいくつもあった。新海誠の「秒速5センチメートル」は60分、僕が熱愛している「言の葉の庭」もわずかに45分だ。
だから58分でも素晴らしい映画が生まれ得ることは分かっているのだが、この「ルックバック」は異次元の58分間なのだ。
奇跡の58分間と言うべきだろうか?

この1時間足らずの中で、小学4年生だった二人の少女は、大学生に。10年以上の歳月が流れる。ただの10年じゃない。
小学4年生から大学生までの青春真っ盛りの10年間は、大人の20年、30年以上に多感で浮き沈みの多いドラマに彩られている。それらが全て58分の中に凝縮されているのだ。
どう考えても1時間未満の映画とは思えない。2時間の映画、いや3時間の映画を見せられたような実感が拭い切れない。
ちょっと頭の中が変になってしまいそうな濃密な時間が、この58分の中に詰め込まれている。
と言って、決して拙速さを感じさせることがない。
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凄い脚本に驚かされるばかり
凄い脚本だ。どうやったらこんなことが可能になるのだろうか?驚かされるばかり。
しかもこの映画の中では、単純に10年間という年月が流れるのではなく、驚くべき展開が待ち構えている。
ネタバレになるので触れられないが、時間に関して手品のような信じ難い表現が用いられ、それでいて全体で58分に収まっている。
観ている僕らには到底解明できない、気が遠くなるような特別な手腕と知恵がなせる技なのだろう。
驚嘆するしかない。
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絵の美しさと説得力は半端ない
絵がとにかく生きている。非常に生き生きとした絵。
リアルでどこまでも精密な絵というわけではない。精密さと精緻さだったら、新海誠には到底太刀打ちできていない。
仰々しい極めてオーバーな表現もあるし、相当なデフォルメもある。
だが、アニメの中の2人の主人公、藤野も京本も実際に血の通ったリアルな存在であることが、痛いほど伝わってくる。



これはどうしたものなのか。アニメの表現を変えてしまった、と言うしかない。
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短い映画、記事も短くしなければ
グダグダと書き過ぎた。58分というごく短い時間の中に、あれだけのドラマと奇跡の時間を凝縮させた作品なのだ。
それを紹介する記事が、ダラダラと長くなってはならない。
最も胸に突き刺さったテーマは
でも、どうしてもこれだけは言っておきたい。
僕が最も感動したテーマは、この部分。
芸術でもスポーツでもどんなジャンルであれ、ここでは漫画と悪戦苦闘する少女が描かれるが、自分が一番だと思っている前に、その技量と能力を遥かに凌駕する凄い才能の持ち主が出現したときに、その衝撃と挫折にどう対応するのかということだ。
この映画の中には、それが幾重にも描かれる。
それが胸に突き刺さってくる。その都度、深く突き刺さってくる。
こうこれ以上は書かない。とにかく実際にこの1時間を観てもらうしかない。そうすれば、全てが分かり、全てが変わる。
ここでも河合優実が主役だった
最後にもう一つだけ、触れておかなければならないことがある。
主人公藤野の声のこと。あの声は女優の河合優実である。
驚いた。声優を務めるのは初めてだという。
強烈な自信過剰家にして、人前では斜に構え、正直にふるまえない藤野という屈折したキャラクターの味わいを、しっかり出せていたと評価したい。
河合優実の怒涛の活躍に目を離せない。
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今すぐAmazonプライムで観て!
新作映画なのに、Amazonプライムで無料配信されていて見放題。
わずか58分の短い映画だが、内容は濃密で、感動必至。
今すぐに観て、何かを感じ、行動変容に繋がれば幸いだ。