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6月、ドライフラワーだけが残った
気が付けばいつのまにか6月に入っていた。そして更に今日は16日(日)中旬となってしまった。我が家からはもちろん、例年、我が家のシャクヤクが終わってから花屋さんの店頭に並ぶことの多いシャクヤクも全て姿を消してしまった。シャクヤクの季節が完全に終了してしまったわけだ。
今はドライフラワーだけが残った。
生花には比べるべくもないが、ドライフラワーにはドライフラワー独自の良さもあって、シャクヤクの生花がすっかり世の中から姿を消した今、僕はドライフラワーで、その後もシャクヤクを楽しませてもらっている。
ドライフラワーを作る2つの方法
去年初めて見様見真似で作ってみたのが、いわゆる逆さ吊りにするハンギング法だった。これが意外にも上手くいって、その後、翌年の花が咲いた後(つまり今年・2024年)になっても、まだまだしっかりと出来上がった当時とあまり変わらぬ姿を保っていることに感動させられたことも、報告させてもらった。
僕はそれだけでは飽き足らず、今年は乾燥剤のシリカゲルを使って、何とかシャクヤクの花そのものの美しさをそのまま保存することに挑戦してきたことも、報告してきたとおりだ。
どうしてのあの豪華な花の大きさと色を復元、いや保存したかった。そのシリカゲルを用いてドライフラワーを作る方法が、その名の通りのシリカゲル法だ。
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初めてのシリカゲル法にルール無視で挑んだ
復習というか報告済み事項のおさらいとなるが、シリカゲル法では花そのものだけをドライにするのが鉄則だ。つまり茎はもちろん葉っぱも取り除かなければならない。
それには理由があった。シリカゲル法では対象物をシリカゲルに完全に埋没させる必要がある。分かりやすく言えば花をシリカゲルの中に「漬け込む」わけである。
そしてここが重要な点だが、花を完全にシリカゲルの中に漬け込んでしまうため、花を上に向けておかないと花が潰れてしまう。だからどうしても花だけを漬け込むことになる。
茎を残すとなると、シリカゲルの中で花を立てて漬け込む必要があり、茎の長さにもよるが、その場合には膨大な量のシリカゲルが必要となるばかりか、細い茎の部分の周囲一帯にシリカゲルが必要となって、非常に効率が悪い、つまりは想像を絶する量のシリカゲルが必要となるわけだ。
茎も葉っぱも残したいので鉄則破りを
それでもどうしても茎も葉っぱも残したい僕は、鉄則を破って茎や葉っぱを残したままで、仕方ないので寝かせて漬け込んでみた。それならシリカゲルを効率的に使うことができて、量もそれほど必要にはならない。
そうやって作ってみること2回。これが前回のレポートである。
結果的には素晴らしい出来栄えとはなったが、鉄則というものはやっぱり無視できない。シャクヤクの花の大きさと色をそのまま残すと言う希望は何とか叶ったのだが、致命的なマイナス面が出てしまった。
横に寝かして漬け込んだため、下になった部分の花がペチャンコになってしまったのだ。上半分はそれほど潰れないのだが、下側は見事にペチャンコ。シリカゲルの重みというよりも、シャクヤクの花の重みそのものによって潰れてしまう結果となってしまった。
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ドライフラワー後に膨らみが戻り丸くなる
その半分がペチャンコになってしまった様子を何枚かの写真で見ていただいたが、実はその後、ペチャンコに潰れていた部分が少しずつ広がってきて膨らみを取り戻し、かなり丸くなるものが出てきたのだ。
これには驚かされた。ハンギング法では花の大きさがギュッと凝縮されて小さくなり、逆に言うとギュッと引っ付き合って密集することになるのだが、シリカゲル法でほぼ生花のままの姿で保存、つまり非常に大きな花の形を維持しており、一枚一枚の花弁に広い隙間が開いているばかりか、密集していない分、一枚一枚の花弁は柔らかくて、ドライになっているにも拘らず動かすことが可能なのだった。
指先で優しく触っても割れてしまうようなことはなく、動かせる。それをいいことに優しく触って、ぺちゃんこに潰れた部分をほぐしてやると、物によっては広がってきて、日毎に丸みを帯びてくるものもある。
こうして、シリカゲルの中から取り出した際にはぺちゃんこだった側面が丸くなって、ほとんどまん丸に近い姿になるものまで現れた。
潰れた花が元に戻って来れば、茎も葉っぱも付いているわけで、ほぼ理想的なドライフラワーが出現したことになる。
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気を良くして第3弾に挑戦:少し工夫
その段階では我が家のシャクヤクはほとんど残っておらず、前日レポートした花屋さんで購入した非常に大きな花を、満開となったピーク時に迷うことなくシリカゲルに漬け込んだ。
今回ももちろん横向きに置くしかなかったが、その際に、少しだけ工夫してみた。
下側になる花の部分のシリカゲルを掘って、そこに大きな花をスッポリ収められないかとトライしてみた。
ところが、ドライフラワー用のシリカゲルは非常に粒が小さくて、驚くほどサラサラしており、下側の花の部分を掘っても、直ぐに崩れてしまって形状を留めないので、思うに任せない。どうやっても穴を開けてそこに花の下半分を埋める産めることはできなかったが、それでもその辺りを全く意識しなかった前2回とは多少異なる結果を期待して漬け込んでみた。
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巨大な花が見事なドライフラワーに
こうして出来上がったシリカゲル法による第3弾のドライフラワーがこちら。じっくりと現物を見たいただこう。
個々の花を個別に撮影するとこんな感じである。
形も大きさもほぼ生花そのもの。色は全くそのままで、信じられない程の濃紺のピンク色に心がときめいた。麒麟丸も実に美しく、元々生花そのものも小振りな麒麟丸は、生花とドライフラワーの区別がほとんどつかないレベルに到達している。
一番肝心の下半分がぺちゃんこになる点は、ほぼ一勝一敗。大輪を2輪漬け込んだのだが、一輪はやっぱりダメで、かなりぺちゃんこになっていたが、もう一輪はあまり潰れることなく丸い形状を維持しており、ビックリしてしまった。
これは立派。成功したと評してもいいだろう。
もちろん茎も葉っぱも元のままである。
これは大いなる一歩であった。来年は何とか出来そうな自信が沸々と湧いてきた。
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鉄則破りの初挑戦でかなりの成果あり
シリカゲル法によるドライフラワー作りは、今年初めての挑戦だった。しかも花だけを漬け込むと言うルールを無視してのトライだった。
にも拘らず、鉄則を無視して茎も葉っぱも残して漬け込みながら、結果的にはかなり満足できるものになった。これは嬉しい。
ペチャンコになったドライフラワーが、その後で膨らみを取り戻す余地があることも思わぬ発見だった。
初年度の挑戦でここまでいい結果になって、今年は大成功と言っていいだろう。
来年は、もっといい方法がないかと色々なアイデアを膨らませている。そんな中で、来年に向けてある「秘策」を思いついているのだが、果たしてどうなるだろうか?
それは来年のお楽しみ。
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ハンギング法で作ったドライフラワー
これも報告済みだが、シリカゲル法に色々と試行錯誤を重ねた今年だったが、それとは別に昨年も作った、いわゆる「逆さ吊り」のハンギング法でも、もちろんドラフラワーを作ってみた。
それもたくさん!去年よりも多くなった。
それらがこちら。
全部で16輪。正確にいうと1輪は既に友人にプレゼントしているので、17輪作ってみたことになる。春の粧が3輪あったが友人にプレゼントしているので、ここには2輪。いずれも脇に小さな花を従えているアベックの花。
ラテンドールが5輪。麒麟丸が6輪。夕映が3輪。そのうちの1本は何と3輪が付いているトリプルの花である。
それぞれを個別に見てもらう。
【春の粧】
【ラテンドール】
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【麒麟丸】
麒麟丸は一つひとつの花が異なっており、一つとして同じものはない。絞りの割合や位置など個性を競い合う。ドライフラワーでもそのあたりの個別の花の個性がしっかりと残っており、感動させられる。
【夕映】
【まとめて花瓶に活ける】
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2種類のドライフラワーに囲まれる日々
こうして今、我が家にはシリカゲル法によるものとハンギング法によるものと2種類のドライフラワーがリビングを中心にあっちこっちに飾られている。
数も多いだけに置き場所にも困る始末。
ガラス容器に入れて鑑賞
そんなこともあって、今年は色々なケースに入れて、持ち運び可能なようにした。こんな感じである。いずれも麦茶などを入れる容器を使っている。
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シリカゲル法とハンギング法の一長一短
同じシャクヤクの品種をドライフラワーをしても、シリカゲル法とハンギング法では、見た目にも同じシャクヤクの花とは到底思えない程の大きな違いがある。
シャクヤクの花の形状、大きさや色がほぼそっくり保存されるシリカゲル法によるものの方がいいに決まっていると言いたいところだが、シリカゲル法のドライフラワーはどう考えてもこの後の日持ちが悪いだろうことは容易に想像できる。
現時点でも既に色が劣化してきているし、あの大きな花の形状が少しずつ崩れつつある。花びらが少しずつ下に垂れ下がってきているのが一目瞭然だ。
その点、ハンギング法は圧倒的に強い。それが何と1年以上に渡って保存できることは去年で実証済みだ。
そうするとどちらも一長一短。
来年の生花が出現するまで、つまり実際のシャクヤクが5月に開花してくれるまで、それぞれのドライフラワーの魅力を堪能したい。
シリカゲル法のドライフラワーがいつまでもってくれるのかが、目下の最大の関心事。2~3ヵ月しかもたにと推測しているが、果たしてどうだろうか。