目 次
ドライフラワー作り挑戦のその後
こうして我が家の今年のシャクヤクは完全に姿を消してしまったが、これで僕の今年のシャクヤクとの取組みが終わってしまったわけではない。
シャクヤク開花便り②(シャクヤク栽培 写真観察日記の⑬)で、かなり詳しく報告したドライフラワー作りのその後の経過を報告したい。
大変な凝り性にして、シャクヤク愛が半端ない僕は、何とかこの素晴らしいシャクヤクを残す方法はないだろうかと、ドライフラワー作りに挑戦し、初めてにしてはそれなりのものが出来たので、このシャクヤク栽培写真観察日記の最後の最後にドライフラワー作りのレポートと、実際に作られたドライフラワーをご覧になってもらう。
先ずは、実際に完成したドライフラワーの写真を一枚見ていただこう。
第13回でもかなり詳しくドライフラワー作りの経緯と、その時点での写真を公開させてもらったが、その後、どんどんエスカレートして、たくさんのドライフラワー作りに挑戦。
それなりの結果が出た。
スポンサーリンク
切り花で飾った花をどんどんドライフラワーに
シャクヤクをドライフラワーにしようとする試みは、ホンの思いつきで、2つでも3つでも試しに作ってみよう、そんな軽い気持ちだった。
ところが、実際にドライフラワー作りに取り組んでみると、そもそもそれが非常に簡単で、しかも初めての挑戦でもそれなりのものが出来上がることが分かってきた。
そうなると、凝り性の真骨頂。
もうトコトンやらないと気が済まなくなってくる。
スポンサーリンク
満開になった時点で逆さ吊りに
ドライフラワーは花が満開に達した時に作り始めるのが鉄則だ。
作り始めると言っても、どうということはない。ただ逆さにして、高いところから吊るすだけである。
シャクヤクは満開になってからホンの数日で萎れてくる。あの豪華な大輪が萎れてくるのを見るのは実に辛いものがある。
開花寸前の蕾を切り花にして、花瓶に挿す。どんどん膨らんできて、やがて開花。その開花も数日かけて驚くほど大きくなってくる。
シャクヤクの花は開花した後も、どの品種であっても更に成長し続けるというか、驚くほどたわわに大きくなる。花そのものが膨張し、膨らんでくる感じである。
だが、その最大限に大きくなった後は、萎れていくしかない。
ドライフラワーにするのは、そのシャクヤクの花が最大限に大きくなった時、つまり満開になった時だ。
最大限に大きくなった後は萎れてきて、やがて花びらが散り始める。そうなる直前、花として一番大きく見応えのある段階で、逆さ吊りにする。
考えてみると少し残酷でもったいない感じがするが、僕としては諦めもついて、却ってスッキリする。
そこで、せめてものお詫びというわけでもないのだが、逆さに吊るす前に、いつもとことん写真を撮って、感謝の思いを伝えながら別れを惜しむことにしていた。
どんどん逆さ吊りにしてしまう
萎れ始めて花びらが散り始める直前に吊るすので、諦めがつく。
散り始めたら、ドライフラワーにしない限り、ゴミ箱に捨てるしかない。それよりはよっぽどマシというわけだ。
という訳で、今回初めてのドライフラワー作りの挑戦だったが、どんどんエスカレートし、片っ端から逆さ吊りにしてしまう。
具体的にどうするのか?
ドライフラワー作りは、驚くほど簡単な作業である。
紐で縛って逆さに吊るすだけなのである。本当にたったこれだけ。
もう少しだけ具体的に書くと、こうなる。
用意するものは輪ゴムと荷造りヒモだけ。輪ゴムは一本。荷造りヒモは20センチもあれば十分だ。
① 満開に開花したシャクヤクを適当な長さに切って、その切り口のあたりを輪ゴムで縛り、更に荷造りヒモもその輪ゴムで縛り付ける。
② そのシャクヤクと繋がった荷造りヒモをどこか適当な空間に吊るす。
たったこれだけである。
適当な空間と言っても、自分の家の中で使える場所に吊るすしかない。
できるだけ風通しが良くて、乾燥しているところが望ましい。洗面台、浴室のあたりや台所など湿気の多い場所は避ける必要がある。
それらの水場を避ければ、後はどこでも構わない。吊るすスペースがあるかどうかである。
風通しなどの環境にもよるが、逆さ吊りにして大体一週間ほどで完成してしまう。
スポンサーリンク
あの大輪が何と三分の一以下に
最大限に花が大きくなった満開の状態で逆さ吊りにするので、吊るし始めたときには実に大きな大輪が、逆さで吊るされた状態になる。
今まで花瓶の中で、咲き誇っていた大輪を今度は逆方向で見るわけだ。
これはこれで、中々の見ものではある。
数日経過すると、ドンドン小さくなっていく。水分が抜けて、嫌になるくらい小さく萎縮していく。
これが何とも忍びない。
豪華な大輪がドンドン小さくなって、哀れになってくる。
何とかあのゴージャスな姿を、そのままドライフラワーにできないかと切望し、色々と調べてみると、シリカゲルなどの乾燥剤を使えばそれも可能なようだ。
来年は是非ともトライしてみたい。
今年はその余裕がなかった。というのは、シャクヤクの満開までにシリカゲルを入手できなかったということだ。
これは来年の課題。
僕はおもしろがって、吊るすスペースがあるうちはドンドン逆さ吊りにして片っ端からドライフラワーにしてしまう勢いだったが、あの豪華な大輪がドンドン小さく縮んでいくのが本当に辛くなってきて、ドライフラワー作りに少し疑問を感じてきた。
スポンサーリンク
ドライフラワー作りに疑問を感じ始めたが
一時は満開になったシャクヤクを片っ端から吊るし始めたが、ドンドン小さくなっていく姿と、あの何とも素敵なシャクヤクの花の色も変色してしまうのを見て、ドライフラワー作りに疑問を感じ始めた。
こんなものをたくさん作っても、元のシャクヤクの立派な姿にはほど遠い。
大きさは三分の一以下になり、色も汚く変色し、これではシャクヤクに申し訳ない。
そう思い始めた。
変色には殊の外、失望させられた。
何と言っても、あの純白のラテンドールが全体的に黄色っぽくなってしまうばかりか、外側はところどころ真っ茶色になって、汚い。枯れる時の色だ。
春の粧のピンク色、夕映の紅色も、あの美しい色をどうしてもそのまま保存できない。
こんなものを作っても仕方がない。そう思い始めていた。
今年初めての挑戦で作ってはみたものの、こんなものに何の意味があるのか?と嫌気がさしてきた。
言ってみれば、ドライフラワーって、「花のミイラ」、あの美しい花から水分を抜いてミイラにするだけじゃないか、そう思えてきた。
シャクヤクのミイラを作ってどうするんだ?
そんな後ろめたい気持ちになってきた。
スポンサーリンク
ドライフラワーには別の美しさと感動があった
そう思って一時はドライフラワーに嫌悪感さえ抱いていたのだが、いつの間にか逆さ吊りにしていたシャクヤクがカンカンに乾燥して、気がつくとドライフラワーが完成していた。
最初に吊るしたものは、とうに水分が抜けて完成していたのが、そのまま吊るしたままで放置しておいた。
一番最後に吊るしたもの、これは最後まで豪華に咲き誇ってくれた夕映がほとんどだったのだが、それらもスッカリ乾燥して、吊るしていた全てのシャクヤクがドライフラワーに変化した。
そこで、紐を解いて一面に並べてみた。
これがその時に撮影した写真である。
そして、その後は、取り敢えず適当な花瓶やグラスに突っ込んで見た。
するとどうだろう。
結構いい感じなのである。
大きさは本当に三分の一どころか、もっと縮んでしまっている。
色も白いものは黄ばみ、ピンクや赤(紅)も外側はかなり変色し、汚くなっている。
それなのに、何か心に訴えかけてくるものがある。これは一体何だろうと良く理解できない。
スポンサーリンク
元のシャクヤクからはほど遠いのだが
このドライフラワーには、元のシャクヤクの姿はない。大きさも色もまるで違う。
たが、何故か心を打たれ、感動を誘うのである。
小さくはなったものの、ギュッと圧縮された感があって、小さな中に無数の花びらが凝縮された様子を見ると、何故か心が揺さぶられるのだった。
確かに小さくなってしまっているのだが、その小ささの中にこれだけ花びらがぎっしりと詰まっているのを見ると、あの豪華だった大輪のシャクヤクが確かに彷彿されるのである。
これが感動を呼び起こすのだろうか?
特に、水を入れない花瓶にありったけのシャクヤクのドライフラワーを入れ込むと、そのボリューム感はすごい。
生のシャクヤクとはまた違った華やかさと賑わいがある。
そしてやっぱり気品があるのだった。
こうして、僕は予想に反して、シャクヤクのドライフラワーに限りない魅力を感じるようになった。
スポンサーリンク
シャクヤクはドライフラワーも素晴らしい
これは思わぬ誤算だった。でも、もちろん嬉しい誤算。
シャクヤクはドライフラワーにしてもやっぱり素晴らしい。その魅力はドライフラワーにしても、決して失われることはないと痛感させられたのだ。
ドライフラワーは一般的には2カ月から3カ月程度しか保たないようだが、ドライフラワーを守る専用のスプレーがあって、それを吹き付けると強化されて、ボロボロと崩れることが避けられ、保ちも良くなるらしい。
僕もスプレーで強化した。
どれくらいの期間、保ってくれるのだろうか?
半年だと来年の発芽までは無理だが、何とか8カ月強このまま保ってくれれば(とても無理だろうが)、来年の新しい発芽まで、このままシャクヤクを愛でながら生活できそうだ。
新しい宝物を発見したような実に幸せな気分に浸っている。
スポンサーリンク
親しい友人にプレゼントしたのがこれ
僕のブログの熱心な読者で、シャクヤクを気に入ってくれた親しい友人に、ドライフラワーを何本かプレゼントした。
その友人の家で花瓶に挿されたドライフラワーも、写真で紹介させていただく。
これは非常に美しく、すっかり気に入っている。僕の手を離れて、こうして友人の部屋を美しく飾ってくれるのは、望外の喜びだ。
スポンサーリンク
シャクヤクを愛してやまない
ドライフラワーまでこんなに作ってしまい、シャクヤクは僕の生活にいよいよ不可欠なものとなってしまった。
2月のあの真っ赤な発芽から蕾となり、実に見事な花を大量に開花させてくれた今年の我が家のシャクヤク。
今年は初めてドライフラワーまで作って、最後の最後まで、とことん愛でることになった。
この後、数カ月間、ドライフラワーがしっかりと僕の心を癒してくれそうだ。
本当に素敵な花である。シャクヤクを愛してやまない。
これからも毎年、更に立派な花を咲かせてくれるように育てていきたいものだ。
前回紹介したあの巨大な「かぐや姫」も是非とも咲かせてみたい。
シリカゲルなどの乾燥材を使って、できるだけ元の花の姿を活かす形でのドライフラワー作りにも挑戦してみたい。
夢は更に広がり続ける一方だ。来年の発芽を楽しみにしつつ、今年これだけたくさんの立派な花を咲かせてくれた我が家のシャクヤクに、心からの感謝を込めて、これにて、短期集中連載のシャクヤク栽培写真日記を終了とさせていただく。
約5カ月間。通算20回の連載にお付き合いいただいたことに、心から感謝したい。