熱々たけちゃんブログ、ドンドン続きます。
目 次
先ずはじめに
昨日は僕のギンレイホールに至る経緯とこの映画館の素晴らしさをまとめて書きましたが、どうもあれだけでは、具体的にギンレイホールの2本立てがいかに素晴らしく、久保田支配人のチョイスがいかに慧眼に満ちたものなのか、分かりにくいだろうと、少し不安になりました。そもそも自分でも少し硬すぎたかなと反省した次第。
映画ファンは、そもそも具体的な映画タイトルを見たいものなんです。僕だったらそう思う。
ということで、思い立って、僕が2年ちょっと前に初めてギンレイホールに行って以来、今日に至るまでの具体的な上映プログラムを全て紹介し、それぞれの映画に対して簡単なコメントを添える感じで全紹介しようと決心しました。
個々の映画の紹介は必要最低限に留め、その映画の立ち位置というか概略のみ書いてみようと思っています。
いわば、昨日の記事の総論に対して、各論編です。ギンレイホールで過去に自分が実際に観た映画の紹介。
熱々たけちゃんによるギンレイホールで出逢った映画の振り返り、いわば総決算です。
自分でもどんな展開になるのか、大いに楽しみ。
では、早速始めてまいりましょう。
なお、これは改めて申し上げるまでもなく、ギンレイホールでの上映を振り返るだけではなく、ここで紹介させてもらう映画をまだ観ていらっしゃらないという方は、今では映画のソフトをレンタルしたり、購入したりすることで、自宅でも自由に楽しんでもらうことができるわけですから、読者の皆様のそんな映画ライフの一助になればとの思いもあります。
映画ファンの一つの道しるべになってもらえると嬉しいですね。
さて、ギンレイホールの最初の出会いは昨日書いたとおり2017年の春先、3月のことです。まだ2年ちょっとしか経っていないって、自分でも信じられない。もうドップリと浸かっているのに(笑)。
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1. 2017.3.4〜3.17
ハドソン川の奇跡 アメリカ映画
監督:クリント・イーストウッド
主演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート
記念すべきギンレイホールでの第1作目は、このイーストウッドの名作だった。キネマ旬報ベストテンでもベストワンを獲得したこの映画のことは、今更あれこれ言わなくても皆さん、良くご存知だろう。
僕は、この作品が90分ちょっとの非常に短い映画であることに好感を持った。話としては極めて単純明解。誤解を受けたパイロットが信頼を回復できるのかどうか、その一点にかかる。それを簡潔かつストレートにうまく描いて、後味も爽やか。見事な演出と言う他はない。
トム・ハンクスはさすがに上手く、安心して観ていられる。
イーストウッドは何を描かせても本当に上手いなあと心から感心させられる一本。
ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ イギリス映画
監督:マイケル・グランデージ
主演:コリン・ファース、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン他
これは37歳で夭折したアメリカ文学史の重要な天才トマス・ウルフの誕生秘話。破天荒の天才の陰に凄腕の編集者がいたという話しだが、ミステリアスな雰囲気が深い印象を残す誠実な作品。久々に観るジュード・ロウがいい味を出していた。コリン・ファースといいニコール・キッドマンといい、いい役者が揃っていて好感の持てる一編。
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2. 2017.3.18〜3.31
エル・クラン アルゼンチン映画
監督:パブロ・トラペロ
主演:ギレルモ・トランセーヤ他
「蜘蛛女のキス」で有名なヘクトール・バベンコなどアルゼンチンにも有名な映画監督はいることはいるが(もっともバベンコはアルゼンチン出身だがブラジル国籍)、まだアルゼンチン映画と言っても馴染みがないのが現状だ。こういう埋もれた映画を観させてくれるのもギンレイホールならでは。
政情不安定なアルゼンチンを背景に、素朴で良心的と思われていた一家が、実は凶悪な誘拐犯だったという実話を基にした犯罪映画。独特の毒に満ちた刺激的な作品で、後味はあまり良くないが、妙に印象に残る作品だった。
人間の値打ち イタリア映画
監督:パオロ・ヴィルズィ
主演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ他
これもあまり知られていない隠れた問題作と言えるだろう。一つの交通事故を巡って、経済的な格差のある3人の視線からその背景と真実が徐々に明らかにされていく。そして最後にタイトルのとおり、人間の値打ちが問われるという展開だが、正直言って少し分かりにくかったという印象。でも、こういう後味はあまり良くないが、少し謎を残す映画は大歓迎。
この2作は共にギンレイホールで上映してくれなければ多分、観ることはない映画だろうと思われ、貴重なものだ。
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3 2017.4.1〜4.14
手紙は憶えている カナダ・ドイツ映画
監督:アトム・エゴヤン
主演:クリストファー・プラナー、マーティン・ランドー、ブルーノ・ガンツ
これはかなり衝撃的な忘れ難い作品。
70年前に家族をナチスに虐殺された老人がその犯人が今も生きていることを知らされ、一通の手紙だけを手がかりに復讐への旅に出るという問題作だ。主人公の老人は既に認知症を患っており、そんなことが果たして可能なのか。
身体も不自由な上に薄れゆく記憶。頼りは一通の手紙だけなのだが、犯人を無事に探し出して、復讐を遂げることができるのか。行く先々で予測不能な展開が待ち受け、これは観るものを興奮させる第一級のサスペンス。
そして旅の果てに明らかになる衝撃的な真実。ちょっと覚悟して観ないとトラウマになりかねないショックが襲いかかる。
すごい作品だった。これは紛うことなき傑作だ。芸達者な俳優たちが繰り広げるこの異端の復讐劇に最後は震えが止まらなくなる程。
ヒトラーとナチスを描いた映画はそのほとんどを観ているのだが、ここにまた大変な問題作が新たに加わった。
元々ヒトラーとナチスは映画の題材としても無尽蔵なので、それこそ数えきれない程の映画が作られているのだが、ギンレイホールでもほぼ定期的に取り上げてくれている。これもありがたい。
この映画はナチスのおぞましい犯罪を描きながらも、映画としてのストーリー展開と語り口が見事で、興奮させられる。
そして、最後はやっぱり戦争の悲惨さと人間のどうしようもない業に言葉を失ってしまうである。
◯ 幸せなひとりぼっち スウェーデン映画
監督:ハンネス・ホルム
主演:ラルフ・ラスゴード
これは仕事の関係でどうしても観ることができなかった残念な一本。
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4 2017.4.15〜4.28
マダム・フローレンス 夢見るふたり イギリス映画
監督:スティーブン・フリアーズ
主演:メリル・ストリープ、ヒュー・グランド
これはかなりの大作だ。メリル・ストリープとヒュー・グランドという名優二人にスティーブン・フリアーズ というこれまた大物監督。楽しめないわけがない。
これはクラシックファンなら知らない人のいない実話。ものすごい音痴でありながら、レコーディングもして、最後はカーネギーホールに満杯のお客さんを集めてコンサートをしたという伝説の歌手の話し。
でも、華やかなようでいて、何とも悲しい辛い側面も併せ持った作品なのだ。僕個人としては悲しみの方を強く感じた。メリル・ストリーブがさすがの演技を見せてくれる。
エブリバディ・ウォンツ・サム‼︎世界は僕らの手の中に アメリカ映画
監督:リチャード・リンクレーター
主演:ブレイク・ジェナー他
これは名監督、リンクレーター の語り口のうまさについつい乗せられてしまう映画。
アメリカの大学で野球に没頭する青春群像。
入学する直前のドタバタを描いただけの作品で、何だか軽率な話しで、僕的には主人公にはあまり共鳴もできないし、おもしろいとも思わないのだが、観終わった後で、何だか忘れ難い妙に印象に残る不思議な映画なのである。
かなり評価も高く、人気もある映画だったらしい。これもリンクレーターの手腕だろう。
3,000字を超えました。ここで一旦、投稿させてもらいます。
まだまだ続きます。
どうぞお楽しみに。