目 次
神楽坂(飯田橋)のギンレイホールのことをトコトン書かせてもらう!
ようやくギンレイホールについて語るところまで来た。ここからはギンレイホールのことを思う存分に書かせてもらう。
以前にも他の媒体でギンレイホールのことは何回も書かせてもらっているのだが、今回はこの自分のブログを使って、気の済むまでトコトン書き尽くしたい。
では、スタート!
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先ずは基本的な情報から
ギンレイホールは飯田橋の神楽坂にある名画座である。名画座が都内で激減してしまったと書かせてもらったが、そんな風潮の中、独自の存在感を誇って、多くの映画ファンに愛されている貴重な、貴重な映画館。
大学時代に名画座の上映スケジュールをひっきりなしに調べて、京都に住んでいたにも拘らず、名画座に行くためだけの目的で東京まで何回も行ったものだが、何故か、ギンレイホールのことはあの時代の僕の記憶の中には残っていない。今も残っている早稲田松竹には何度も通ったのに。
だから、今、これほどギンレイホールに魅力されている僕が、昔のことはまるで知らないのだ。あのシティロードで夢中になって上映スケジュールを探しまくっていた頃、ギンレイホールは果たしてあったのだろうか?
何故かギンレイホールとの出会いはまだ2年足らず
僕のギンレイホールとの出会いは、不思議なことに、まだまだほんの2年ちょっと前のことなのである。
縁あって御茶ノ水の老舗病院に職を得た僕は、すぐ近くに名画座のギンレイホールがあることを知り、とにかく行ってみた。初めてのことだ。2017年の春のことだった。
で、どうだったのか?
僕は一度で魅了されてしまった。
そして、それ以来、すっかり夢中になって毎週2回は通い詰めるほどの大ファンとなって、今日に至っている。
ギンレイホールには一口に名画座と言っても、他の名画座とは一線を画するかなり大きな特徴がある。
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ギンレイホールで上映される映画の内容は
先ず、その上映される映画の内容について語らなければならない。これが何と言っても最大の特徴なのだから。
ここでは新作映画がロードショー公開された後、数ヶ月から半年くらいの間の作品を取り上げている。昔はよく二番館と呼んでいた。
それの2本立てなのである。
典型的な名画座は、最近公開された映画ではなく、文字どおりの名画の上映が中心だ。既に名作、傑作との評価が定まっているいわば古典の上映である。
ギンレイホールでは、そういう著名な昔の名作もオールナイトで上映するのだが、普段かかっているものは、数ヶ月前まで、封切館で上映されていたばかりの新しい映画なのである。まだ公開されたばかりの新しい映画の2本立てだということ。
これが何と言っても魅力である。
僕のような新作映画を映画館で観る習慣のない者にとっては、
ギンレイホールで上映される全ての映画が、初めて観るものばかりということに
シネフィルの僕は、過去の有名な名作、傑作の類いは例のDVDなどのディスクによってほとんど観ているのだが、ギンレイホールで観る映画は、本当に初めて観る全く知らない映画ばかりということになる。
しかも、新しい封切映画の情報をこまめに押さえる習慣もないので、ギンレイホールで観る映画は一度も観たことがないのはもちろん、その映画についてもほとんど何の情報も持ち合わせず、いきなりギンレイホールの大画面で全く知らない映画と遭遇することになるのだ。
このスリルとサスペンスがたまらない。
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「ギンレイ通信」という約2ヶ月間の上映スケジュール案内
ギンレイホールでは、ギンレイ通信という約2ヶ月間の上映スケジュール案内が作られていて、これが小さいながらもオシャレなもので、楽しみの一つなのだが、そのギンレイ通信の情報しか持ち合わせないで映画を観始めることになるわけだ。もっとも予告編は必ず観ているのだが、それしか情報はない。
こうなると観る方のこちらも、できるだけ情報を得ずに、何も知らない状態で観るようにした方が、思いがけない感動に巡り合うことになるわけだから、自ずからそう心がけることになる。
何の予備知識もない状態で映画を観て、全く思いもかけない感動に心うち震わされることが珍しくない。
全く期待していなかった映画が素晴らしい傑作だったということが、これまでも非常に多く、これがギンレイホールの最大の魅力であり、一度この感動を味わうと本当にギンレイホールから離れられなくてなってしまうのである。
実は、ここで注意してもらいたいのは、それは決して偶然ではないということだ。
とにかくギンレイホールで観る映画は僕にとって初めて観る映画ばかりなのだから、大スクリーンの大音響で観れば、感動することが多いのは当たり前でしょ!?そうに決まっている!
いや、そういうことでは決してないのだ。
これは声を大にして言っておきたい。
上映される映画そのものが押し並べて傑作、名作ばかり
そうではなく、ギンレイホールで上映される映画そのものが押し並べて傑作、名作が多いということなのである。これを強調しなければならない。
ギンレイホールで上映される映画は当然、数多の候補映画がある中で、誰かがチョイスして決められている。それは当たり前のこと。ただ順番どおりに勝手に上映されているわけではない。上映作品は選ばれ、その選ばれた作品が、素晴らしい作品ばかりだということがポイントなのである。
では、誰が選定しているのだろうか?上映作品を決定するのは、支配人の久保田芳未さんである。ご本人から直接聞いているので間違いない。この久保田支配人のチョイスが本当に素晴らしいのである。
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同時上映の2本の映画には明確な哲学がある!
特徴の2つ目は、ほぼ同じ時期に公開された作品を2本組み合わせるのだが、その2本の選択には明確な哲学のようなものがあって、同じようなテーマや関連性がある類似的なテーマが選ばれていることが多いのだ。テーマや傾向の似た作品が上映されるわけで、観る方はこの2本を否が応でも比較して観ることになる。
それぞれの作品はもちろん全くの別物で、2本の映画は何ら関係はないのだが、2本を続けて鑑賞することで、思わぬ有機的な新たな感動に襲われることがしばしばだ。これは本当に今まであまり経験のないことで、驚かされる。
ギンレイホールで初めて味わう特別な感慨だ。
そこらへんも計算に入れて、それもこれも全て久保田支配人が選択した結果なのである。
久保田支配人は素晴らしい感性と慧眼の持ち主
本当に久保田さんは素晴らしい感性と慧眼の持ち主だと感嘆せずにいられない。
だから僕ら観客は、久保田さんが選んできた映画に身を任せればいい。今までそれこそ何十本も観させてもらったが、気に入らなかった映画はほとんどない。むしろほとんどの映画から深い感動を味あわせてもらっている。
実は、どうしても好きになれない映画が今まで2本だけあったのだが、それだって久保田さんには何の責任もない。僕の感性がその映画に合わなかっただけのことだ。
上映されるほとんどが名作、傑作ぞろいなのである。こんなことは本当に稀有なこと。
ギンレイホールはそんな良質な選び抜かれた2本の映画を、2週間上映するシステムとなっている。
では最後にとっておきのことを紹介したい。
実はこのことがギンレイホールの最大にして最高の特徴であり、ギンレイホールならではの特別な制度なのである。
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ギンレイ・シネ・パスポートとは!?
ギンレイ・シネ・パスポートのこと。これは何ともありがたい仕組みなのである。
これはご想像のとおり、映画館に入場するパスポートのこと。ギンレイシネマクラブに入会すると、このパスポートの発行を受けられるという仕組み。
このパスポートを持っていれば、一年365日、いつでも自由自在に映画を観ることができるのだ。いつでも、何回でも。
〇年間費10,800円(税込)。
〇2人で自由に入れるペアカードは19,400円(税込)。
〇5人まで自由に入場できる法人・グループカードなんてものまである。32,300円(税込)。
*税は8%として表示
こんな制度は多分、日本中でここギンレイホールにしかないのではないか。少なくても僕は知らない。
どれだけ得なのかの試算結果
普通に入場すると、一般は1,500円。
それが年間のパスポート代10,800円で365日、出入り自由となる。
どのくらい得なのか計算してみよう。
ギンレイホールは前述したとおり2本立てのプログラムが2週間で交替して行く。
1ヶ月を4週と割り切って考える。パスポートを使わずに一回1,500円で入場すると、年間の全ての映画を観ると36,000円となる。
これが、10,800円で済むのだ。しかも、何回でも何回でも繰り返し観ることができる。
恐ろしくお得な制度であることが分かるだろう。
だから、ほとんどのお客さんがシネマクラブの会員でパスポートを持っているように見受けられる。初めての方は1,500円で入るが、ギンレイホールの魅力に開眼し、次回は会員となってパスポートをゲットすることになるのが常と言っていい。僕の周りもみんなそうだ。
ギンレイホールはかなり混んでいる。映画館離れが加速的に進む中で、本当に珍しい。嬉しいことだ。
このパスポート制度は格安なので、経営がうまく成り立っているのか、実は内心密かに心配しているのだが。
僕はこの制度と、とにかく上映作品の質の高さに惚れ込んで、ギンレイホールのことを職場や合唱団のメンバーに喧伝し、職場の病院では何人も会員になってもらった。
職場内で「ギンレイホールで観た映画を語る会」を定期開催
そして定期的に「ギンレイホールで観た映画を語る会」を開催し、映画とギンレイホールについて熱く熱く語り合っている。
こうしてギンレイホールは今の僕の生活になくてはならない不可欠なものとなった。
今夜も例のイーストウッドの「運び屋」を観てきたところだ。実に3回目。
こんな良心的な素晴らしい映画館を、僕は他に知らない。
映画を観る喜び、ここに極まれりである。