目 次
ダンケルク
映画の基本情報
アメリカ映画 106分
監督:クリストファー・ノーラン
主演:フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン・=カーニー、ジャック・ロウデン他
さあ、「ダンケルク」の登場だ。
クリストファー・ノーラン監督が描く圧倒的なダンケルク‼️
これはすごい映画だった。僕は度肝を抜かれたというか、その見事な語り口と想定外の強烈な映像に完全に圧倒されてしまった。
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クリストファー・ノーラン監督のこと
今回は監督のクリストファー・ノーランのことを強調しなければならない。ノーランは現在、世界で最も期待される最高の映画監督の1人。僕も大好きだ。
イギリス出身のノーランは今はハリウッドで映画を作り続けているが、ハリウッド映画の中で唯一、作家性を保った稀有な存在と呼ばれる。
ノーランを一躍世界のトップ監督に押し上げたのはヒース・レジャーがジョーカーを熱演したあの「ダークナイト」だ。この「ダークナイト」を熱愛している映画ファンがどれだけたくさんいることか。かく言う僕もその一人である。
あのバットマンの新シリーズで、世界の映画ファンの度肝を抜いた。
ヒース・レジャーのジョーカーの造形が尋常じゃない。あの映画を撮影後、公開前にヒース・レジャーが亡くなってしまっただけに、本当にダークナイトのヒース・レジャーはたちまち伝説になってしまった。燃えよ、ドラゴンのブルース・リーと全く同じことが現実に起きたのだった。
ジョーカーと言えば昨年公開されたホアキン・フェニックスの「ジョーカー」も大傑作として注目を集めたが、僕はやっぱりヒース・レジャーのジョーカーの方が圧倒的に印象深い。
ところで、ダークナイトの傑出している点は、ヒース・レジャーだけではなく、やっぱり監督のノーランの類まれな映画作りにある。
あのダークでいて妥協を許さない徹底的な描写。驚異の映像美。みんなこのダークナイトを観て、ノーランに心を奪われたのだ。
その後も「インセプション」や最近の「インターステラー」まで、全ての映画が問題作にして名作ばかり。正に天才と呼ぶべき存在だ。
その天才ノーランが作ったダンケルク。第二次世界大戦のあの特殊なエピソードを如何に描くのか!?
有名なダンケルクの戦いだが・・・。
皆さん、ダンケルクのことをどこまでご存知だろうか。いかにもカッコいい名前もあって、そこで大激戦が繰り広げられたと想像しているかもしれないが、そうではない。これは連合国の負け戦、ひたすら逃げまくった戦いなのである。激しい戦闘シーンを期待してもダメ。そんなものは元々なかったのだ。
フランスのダンケルクに集結した全く勝ち目のない40万の英仏連合軍を、迫りつつあるドイツ軍から如何に救出するか。それはズバリどうやって逃げたのかということだ。だからダンケルクを描いた映画は過去に何本もあるが、いずれもえっ!何これは?という期待外れの映画となってしまう。それでも繰り返し繰り返し、描かれるのはどうしてなのだろうか?
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ノーランの描くダンケルクの戦いとは?
それを明らかにして、新たなダンケルクを描き切ったのが、このノーランのダンケルクというわけだ。
激しい戦闘場面など皆無の、不安と焦りだけの救出劇をどうやって描くのか、どうやって緊張感に満ち溢れた映画にまとめ上げるのか。ノーランの答えがここにある。その力量たるや、感嘆するしかない。それほど、この映画には独特の語り口と創意工夫、そして何よりも映画的興奮に満ち溢れている。
普通に描いても盛り上がるはずがない逃走劇をノーランは天才的な発想で描く。ダンケルクを空と海と陸の三ヶ所からの別々の視点から描くのだ。
ほとんど会話は出てこない。ひたすら映像と音と音楽だけで、この緊迫した状況を描いていく。
すごい。僕は圧倒された。これは本当の天才でないと作れない稀に見る傑作。
一切の先入観を捨てて、ただひたすらこの映像と音の世界に身を委ねて欲しい。後はそれをどう感じるかというに尽きる。
問答無用の体験する映画
これは問答無用の体験する映画である。とにかく黙ってこのクリストファー・ノーランの世界に身を委ねるべきだ。