【中編】から続く その後、田中信昭から直接の指導を受けた それから更に約15年が経過する。弁護士の夢を諦めて、再び合唱の世界に戻った30代後半。 僕は三重県の津市にある「うたおに」という合唱団で歌っていた。僕が東京に転勤になった後、「うたおに」はどんどん実力を付けて、何度か全日本合唱コンクールの全国大会にも出場すること...
【クラシック音楽】の紹介
【クラシック音楽】の紹介の記事一覧
【前編】からの続き 田中信昭と僕の感動エピソードを披露 こんな不滅の業績を合唱界に残した田中信昭に、僕は個人的な接点があり、それがちょっと考えられないほどの感動的なエピソードなので、ここで披露させていただく。 僕が高校3年生のときの出来事である。 何年、いや何十年前のことだ!?(笑)。答えは半世紀?(笑)。 ことの発端...
あの田中信昭が亡くなったしまった! あの田中信昭の突然の訃報に接した。2024年9月17日(火)の朝のことだった。 僕が読んだ読売新聞オンラインの記事を、そっくり転載させてもらう。 「戦後日本の合唱界をリードした指揮者で文化功労者の田中信昭(たなか・のぶあき)さんが12日死去した。96歳だった。葬儀は近親者で行う。5日...
【前編】からの続き その4:指揮科の学生への指導 あの指揮科の貧乏揺すりの男子学生への指導については前回の記事でも詳しく書いた。 但し、それは映画が始まって序盤だというのにその指導だけで延々と10分間以上も続くというバランスの悪さの指摘だった。 今回は、あのターの学生への指導がパワハラだったかどうかの検証である。 映画...
「TAR/ター」の評価は非常に高いが・・・ 前回取り上げた「TAR/ター」。 そこで詳しく紹介したとおり、この作品は昨年(2023年)公開映画のキネマ旬報ベストテンで見事ベストワンに輝き、読者選出ベストテンでも第2位。監督脚本のトッド・フィールドが外国映画監督賞まで受賞するなど、日本では極めて高く評価された。 本国アメ...
昨年キネ旬ベストワンに輝いた大絶賛映画 「TAR/ター」。今年(2024年)発表された昨年公開映画のキネマ旬報ベストテンで見事ベストワンに輝いた作品。読者選出ベストテンでも第2位に輝いた。しかも監督脚本のトッド・フィールドが外国映画監督賞まで受賞し、キネマ旬報では大絶賛に包まれている。 2023年のアメリカのアカデミー...
朝日新聞に信長貴富の思わぬ記事が掲載 松本に在住の親しい友人から、合唱作曲家・信長貴富の朝日新聞に掲載された「人は、なぜ歌うのか?」をテーマにした記事が送られてきた。 信長貴富のことは良く存じ上げていて、彼の合唱作品を多数、指揮してきた。もちろん歌ったことも頻繁だ。 その記事を読んで、僕は深く感銘を受け、即座にこのこと...
「セメレ」の基本情報 1843年の夏にわずか1カ月あまりで作曲された。 正確に記録が残っている。それによればヘンデルは1843年の5月に体調を崩していたが、病気回復後の6月3日から7月4日までのわずか1カ月間で作曲したという。時にヘンデルは60歳手前。初演は翌1844年の2月に行われた。 ヘンデルの名を不動のものとした...
ヘンデルはバッハとほぼ同時に生まれた バロック音楽の大巨匠ヘンデルのことを初めて書く。大バッハの「音楽の父」に対してヘンデルが「音楽の母」と呼ばれるまでもなく、この2人の天才は何かと対照的な存在なのだが、何と同じ年の生まれであることを、ご存知だろうか? ヘンデルは74歳の長寿 なお、何かと若死にが多い大作曲家の中にあっ...
誰でも知っている最も有名なシューベルト シューベルトの作品についてこのところずっと書き続けてきた。かなりの作品を紹介してきたが、どうしても外せない作品が残ってしまい、紹介できていない。 ピアノ独奏曲の「即興曲」である。原語(フランス語)では「アンプロンプチュ」だ。 シューベルトの「即興曲」といえば、いくつかの歌曲や「未...
シューベルトのピアノトリオがある映画に! 続いてピアノ三重奏曲第2番の紹介だ。この曲の詳細に触れる前にどうしても書いておきたいことがある。1本の映画のことだ。 このシューベルトのピアノトリオ第2番はある有名な映画に使われている。僕がこの音楽を知ったのはこの映画を通じてだった。 そしてその映画というのが、僕が今までに観て...
シューベルトのピアノ三重奏曲をご存知か? シューベルトの名曲の紹介は、まだ続く。今回はいわゆるピアノトリオと称されるピアノ三重奏曲の名作を2曲取り上げる。 シューベルトの室内楽はかなり紹介してきた。死の間際に作曲された「弦楽五重奏曲 ハ長調」、弦楽四重奏曲の名曲「第14番 死と乙女」、「ピアノ五重奏曲 ます」。そして「...
紹介してきたシューベルト作品の特徴は? まだまだ続くシューベルトの紹介だ。 僕が取り上げてきたシューベルト作品は、死の直前に異常なまでに創作力が高まった最後の作品群、これは「弦楽五重奏曲」「歌曲集 白鳥の歌」そして前回(昨日)紹介の「ピアノソナタ第19番~21番」の5曲あった。 それ以外に、めちゃくちゃ暗い「弦楽四重...
死の直前にまとめて作曲された至高の名作群 シューベルトの作品の紹介が続いている。まだ終わらない。 僕は特別にシューベルトが好きでたまらないというわけでもないのに、どうしてこんなことになっているのか、自分でも不思議でならない。 今回は当初のシューベルト紹介に戻って、31歳という若さで夭折したシューベルトがその死の直前に作...
(前編から続く) 交響曲第8(9)番「ザ・グレート」の概要 全体は4楽章から構成され、全ての楽章が15分前後の演奏時間を誇るため、全曲を通じると50分から丸々1時間ほどかかる。この時代の交響曲にあっては異例の大曲。 この長大さが後のブルックナーやマーラーの大交響曲に繋がっていったことは間違いないだろう。 【第1楽章】 ...
感情の起伏が激し過ぎる作曲家シューベルト このところ集中的にシューベルトの作品を取り上げてきたが、それらの多くは極端に暗かったり、逆にあまりにも屈託のない明るさに満ち溢れたものなど、シューベルトという作曲家がいかに感情の起伏の激しい情緒不安定な作曲家であったかを裏付けることになりかねないと、内心密かに危惧している。 死...
天真爛漫な明るいシューベルトはこれだ このところ集中的にシューベルトを取り上げてきた。シューベルトが死ぬ年の創作力が異常なまでに高まった際の「弦楽五重奏曲」と「白鳥の歌」(僕の紹介記事は2部構成:前編・後編)。そして「死と乙女」。 3曲共に何とも暗い作品ばかりであった。 こういう作品ばかり聴いていると、シューベルトとい...
暗い音楽ばかりを量産したシューベルト このところ、「死の目前に到達した異常なまでの創作的高まり」として31歳で夭折したシューベルトの死の年に作曲されたとんでもない作品を紹介してきた。 「弦楽五重奏曲 」と歌曲集「白鳥の歌」(僕の紹介記事は2部構成:前編・後編)。これらはシューベルトが31歳で急逝した1828年に作曲され...
ビゼーの若き日の隠れた名曲 先日、古楽器によるビゼーが作曲したオリジナルどおりに演奏した「カルメン」のブルーレイを紹介したところだが、もう1曲、知る人ぞ知るビゼーの隠れた名曲を取り上げたい。 「交響曲ハ長調」である。何とこれはビゼー17歳の時の作曲。正確にいうと、17歳の誕生日を迎えた直後に作曲したというのだから恐れ入...
シューベルト作曲「白鳥の歌」の紹介の後半である。 後半は、「白鳥の歌」の後半、6曲からなる「ハイネ歌曲集」について、詳細に見ていくことにしたい。 とにかく時間的には非常に短いながらも圧倒されてしまう凄い歌が、次から次へと出てくる。 スポンサーリンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle |...
プロフィール
熱々たけちゃん
熱々たけちゃんです。
小学校4年から合唱を始め、同志社コール・フリューゲルで3年間合唱指揮に没頭。合唱団東京フリューゲルを設立し、20年間指揮者を務めました。
本職は病院経営。病院の経営マネジメントの推進です。40年近くに渡って医療業界に勤め、経営改革請負人としていくつもの病院で事務長(事務局長・事務部長)を務めています。
趣味が非常に多く、クラシック音楽全般、合唱、ジャズ。映画。文学、ノンフィクション。漫画。哲学。歴史。美術鑑賞。写真、動画撮影など多方面に渡っています。
若き日にかなり登った山についても国内、海外を問わず詳しい。スポーツ観戦、落語も好きで、ホタルにも夢中。 ラーメン、寿司、焼酎も大好きですが、最近はシャクヤク栽培にハマっています。
異常なまでの凝り性で、好きなことにはトコトンのめり込まないと気が済まないタイプ。
詳細はフッターのプロフィールをご覧ください。
小学校4年から合唱を始め、同志社コール・フリューゲルで3年間合唱指揮に没頭。合唱団東京フリューゲルを設立し、20年間指揮者を務めました。
本職は病院経営。病院の経営マネジメントの推進です。40年近くに渡って医療業界に勤め、経営改革請負人としていくつもの病院で事務長(事務局長・事務部長)を務めています。
趣味が非常に多く、クラシック音楽全般、合唱、ジャズ。映画。文学、ノンフィクション。漫画。哲学。歴史。美術鑑賞。写真、動画撮影など多方面に渡っています。
若き日にかなり登った山についても国内、海外を問わず詳しい。スポーツ観戦、落語も好きで、ホタルにも夢中。 ラーメン、寿司、焼酎も大好きですが、最近はシャクヤク栽培にハマっています。
異常なまでの凝り性で、好きなことにはトコトンのめり込まないと気が済まないタイプ。
詳細はフッターのプロフィールをご覧ください。
データはありません
最近の投稿
- 今年のサザンカはすごい開花となりそう。ビッシリの蕾が開花目前を迎えた!
- 無造作に植え替えた「バラ」が、あっという間に見事に根付いてビックリ仰天
- 「ナワリヌイ」プーチンと闘った男の驚嘆すべきドキュメンタリー!フィクションを上回る衝撃に言葉を失う〜いま観るべき熱々映画
- ノーラン監督の超話題作「オッペンハイマー」【後編】。圧倒的な表現力と主人公の苦悩の深さが胸に迫る!~いま観るべき熱々映画
- ノーラン監督の超話題作「オッペンハイマー」【前編】。これはすごい。圧倒的な映像に批判もかすむ壮絶な映画~いま観るべき熱々映画
- 待望の黄色いシャクヤク「楊貴妃」と、他にも2種類の品種を新たに植え付けた!~シャクヤク栽培 写真観察日記:2024年㉒
- 刀根里衣「なんにもできなかったとり」先ずは大人が読むべき絵本。劣等感に苛まれた鳥の行く末に賛否あるも、感動必至!
- 揷し木から根付き、花まで咲かせたサルスベリを将来に備え、植え替えた!
- 手塚治虫「上を下へのジレッタ」:時代を先取りした奇想天外さに衝撃必至!シュールな大問題作!~手塚治虫を語り尽くす㉛
- 10月、遂に地表部分の茎と葉を伐採。早くもたくさんの新芽を確認し感動!~シャクヤク栽培 写真観察日記:2024年㉑
最近のコメント
- M-1優勝のミルクボーイを称える! に madi より
- 手塚治虫:渾身の傑作「きりひと讃歌」を読んでほしい!~手塚治虫を語り尽くす➄ に 熱々たけちゃん より
- 手塚治虫:渾身の傑作「きりひと讃歌」を読んでほしい!~手塚治虫を語り尽くす➄ に madi より
- 1枚のディスクにピアノソナタ全32曲が収まってしまうブルーレイオーディオに驚嘆!~ベートーヴェンのピアノソナタ全集:ケンプの名盤を堪能する に 熱々たけちゃん より
- 1枚のディスクにピアノソナタ全32曲が収まってしまうブルーレイオーディオに驚嘆!~ベートーヴェンのピアノソナタ全集:ケンプの名盤を堪能する に クリングゾール より
- ヘンデル「セメレ」ガーディナー指揮のライヴ映像に大興奮!ヘンデル・ルネサンスの到達点!言葉を失う程の素晴らしさ!! に 熱々たけちゃん より
- ヘンデル「セメレ」ガーディナー指揮のライヴ映像に大興奮!ヘンデル・ルネサンスの到達点!言葉を失う程の素晴らしさ!! に 高橋茂夫 より
- モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」~75歳のモンテヴェルディが作曲した最強・最高のオペラに震撼!~アーノンクール=ポネルの超名盤が格安にて再発売! に 熱々たけちゃん より
- モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」~75歳のモンテヴェルディが作曲した最強・最高のオペラに震撼!~アーノンクール=ポネルの超名盤が格安にて再発売! に エリア467 より
- 「アドルフに告ぐ」の「オリジナル版」がすごい!!~ファン必読!手塚治虫を語り尽くす③ に 熱々たけちゃん より
- 「アドルフに告ぐ」の「オリジナル版」がすごい!!~ファン必読!手塚治虫を語り尽くす③ に エアグルーヴ より
- 「チボー家の人々」は渾身の名作だ!「失われた時を求めて」に比べて低すぎる評価は? に 熱々たけちゃん より
カテゴリー
アーカイブ